2017-08

2015・4・10(金)シルヴァン・カンブラン指揮読売日本交響楽団

     サントリーホール  7時

 常任指揮者シルヴァン・カンブルランが、リームの「厳粛な歌」(日本初演)と、ブルックナーの「交響曲第7番」(ノーヴァク版)を指揮した定期。面白い組合わせのプログラムである。

 リームの「厳粛な歌」をナマで聴いたのは初めてだったが、ヴァイオリン、フルート、オーボエなど高音域の楽器群を欠いた編成のオーケストラが響かせる重々しく暗鬱な音色、空間的な拡がりのある不気味な響きは、形容しがたい美しさにも富んでいた。これは録音ではなかなか捉えにくい類の音楽だろう。
 しかもバリトン・ソロを歌った小森輝彦の自信に満ちた歌唱、微細な音程の変化を鮮やかに再現する技術的な完璧さも加わって、非常に印象深い演奏となっていたのである。

 この暗く重いリームの作品のあと、休憩をはさんで演奏されたブルックナーの「第7交響曲」が、それゆえ実に清澄な音楽に聞こえたのは当然だろう。
 第1楽章冒頭から、弦楽器群の澄み切った響きが流れ出す。もともと綺麗な曲だが、今日はとりわけ清涼な美しさが胸にしみた。プログラミングの妙と謂うべきだが、フランス生れの指揮者カンブルランの個性によるところも大きいだろう。

 粘着質の重厚な大伽藍的ブルックナーではなく、爽やかで透き通ったブルックナーだ。第1楽章のコーダなど、クレッシェンドとともにみるみるテンポを速めて行き、最後の和音を軽くスポッと短く切る、というスタイルなのである。ここをこんなふうに終らせる指揮者は、滅多にいないだろう━━ふつうなら、重々しくどっしりと終らせる個所だ。

 演奏時間は、ふつうなら65分程度のところを、楽章間を入れてわずか57分。カットがあったわけではない。それに、全体にそれほど飛ばしているという感もなかった。だが、実に気持のいい演奏だった。

コメント

一進一退

曲の解釈や設計には好感を持ったものの、演奏の完成度としてはあと3公演くらいこなしてもらってその最終日を聴き直したいかなといういつものパターン。個人的には後退感がありました(2月比)。

ストレスの場所は以下2点。①金管の響き:「偏差値30(平均)」という印象。②木管の語り口:テンポ走り気味、リズム滑り気味、台詞が体に入っていない、曲を演じようとしていない感じ。

一方、弦についてはほぼ全編ストレスフリー、好調維持というところ。結果として管とのニュアンス格差が以前より拡大されてしまったのかも。

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