2017-06

3・23(月)小泉和裕指揮東京都交響楽団「ミサ・ソレムニス」

     サントリーホール  7時

 終身名誉指揮者の小泉和裕が指揮して、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」を演奏した。プログラムはこれ1曲だったので、8時半には演奏会は終わってしまったが、作品の壮絶な量感と気宇の大きさ、聴き手に与える圧倒的な感動、演奏者にとっての負荷を考えれば、これでもう充分といえるだろう。
 声楽での協演は、吉原圭子(シュレイモバー金城由起子の代役)、山下牧子、小原啓楼、河野克典、栗友会合唱団、武蔵野音楽大学室内合唱団。コンサートマスターは矢部達哉。

 演奏は、いかにも小泉和裕らしい、正面から率直に取り組んだストレートなもの。小細工も誇張もなく、ひたすら作品本来の雄弁な説得力をそのまま再現させて行くという指揮である。
 一方、都響は、全体にやや荒削り。ホルンやトランペットのセクションなどは、インバルの出番の時に比べると、だいぶ表情もサウンドもアンサンブルの緊密度も異なり、洗練さを欠いた印象がなくはなかった━━「アニュス・デイ」のアレグロ・アッサイのトランペットは、大変難しいピアニッシモであることはわかるが、もう少し・・・・。だが「サンクトゥス」での矢部の長いソロは聴き応えがあった。

 声楽陣では、山下牧子(メゾ・ソプラノ)の確信に満ちたソロが映えていた。
 合唱団はP席すべてを埋め尽くす大人数だったが、音量は意外に小さい。総じてよく頑張っていたけれども、たとえば「Kyrie」の「キ」の発音が何度も荒っぽく乱れてしまうあたり、もうちょっとトレーニングするわけには行かなかったのだろうか? なにせ、冒頭の印象的な個所であるがゆえに、聴く方はそこで些か感興を殺がれてしまったのである。

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