2017-10

1・16(金)ワーグナー:「さまよえるオランダ人」(演奏会形式特別版)

     新国立劇場中劇場  7時

 18日から新国立劇場オペラパレスで上演が始まる「さまよえるオランダ人」を前に、そのカバー歌手(アンダー)として名を連ねている日本人歌手たちが出演し、ピアノ伴奏で同曲を演奏するという特別企画。

 カバー歌手といっても、すでに国内でこの曲を「表の主役」として歌ったことのある人たちも多いので、演奏はしっかりしたものだ。
 出演は次の人たちである━━小森輝彦(オランダ人)、橋爪ゆか(ゼンタ)、長谷川顯(ダーラント)、片寄純也(エリック)、山下牧子(マリー)、土崎譲(舵手)。指揮は城谷正博、ピアノは木下志寿子。

 合唱はないので、抜粋上演かと思ったらさにあらず。たしかに第3幕前半のような合唱が主役の場面は省略しているが、場面によっては合唱のパートだけをカットしたりして、いずれも前後を巧く接続している。そのため、全曲よりは少し短い程度の演奏時間を要するものとなっていた。

 歌唱もなかなかのもので、特に第2幕でのオランダ人とゼンタの長い2重唱は、音楽の良さとともに、すっかり聞き惚れてしまったくらいである。
 小森と橋爪は、山形で飯森範親指揮の山形響がこの曲を演奏会形式で上演した際(2012年11月25日)に見事な歌唱を聴かせたコンビでもある。
 小森はあの時と同様に、この役の暗い性格を浮き彫りにして、当たり役だ。
 橋爪は、山形では「夢見る少女」から「情熱的な女性」への変化を出して、素晴らしいゼンタだと思ったのだが、今回はなぜか終始力み返り過ぎという感もあり、またフォルテの時に一音一音をクレッシェンド気味に歌うのも気になった。2重唱なり3重唱なりの時には、もう少しアンサンブルという面にも留意したほうがいいのではないか。

 暗譜で自信満々指揮した城谷正博は、全曲を見事に流れよくまとめていた。そして、長い全曲を━━特に第2幕と第3幕は続けて演奏する版で━━ぶっ続けにピアノを弾いた木下志寿子のエネルギーには頭を下げたい。

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