2017-10

12・8(月)大野和士指揮東京都交響楽団 バルトーク&シュミット

    東京文化会館大ホール  7時

 バルトークの「弦と打楽器とチェレスタのための音楽」と、フランツ・シュミットの「交響曲第4番ハ長調」を組み合わせたプログラム。

 こんなハイブロウ(?)な選曲は、なかなかできないものだろう。間もなく第5代音楽監督に就任する人気の大野和士が指揮するコンサートだからこそ、そして特に最近、強気の攻勢に出はじめた東京都響の定期だからこそ、可能なプログラムであるとも言えるだろう。

 演奏は、素晴らしかった。緻密で精妙で、がっちり固められて隙が無い。
 バルトークの作品では交錯する各パートの動きがしなやかに再現され、いっぽう長大な(45分間切れ目なし!)シュミットの交響曲では、一種の魔性的な暗い力が緊迫感をもって再現されていた。
 実は私も、このシュミットの「4番」をナマで聴いたのは今回が最初なのだ。こんなに多彩な変化にあふれた曲想の作品だったとは・・・・と、遅まきながら感動した次第である。

 ただ、私は、この演奏を翌日のサントリーホールで━━豊かな残響を伴った空間的な拡がりをもったホールで聴いてみたかったという気もする。さすれば、もう少し瑞々しい豊麗な音が加わり、演奏の印象、ひいては作品の印象まで違って聞こえたかと思う。
 東京文化会館の明晰なアコースティックは、それを好む人も多いが、残響は短いから、ちょっと難しいところもある。会場そのものはいつ見ても素敵だし、オペラ公演も観やすく聴きやすいホールなのだが・・・・。

 明夜のサントリーホールに行けぬ理由は、文化庁と日本オーケストラ連盟主催のオーケストラ・シンポジウムが国際フォーラムで開催され、米・英・独・仏の評論家が各1人ずつパネリストとして出席するのに合わせ、僭越にも私が日本側代表として出席を依頼されたことによる。
 欧米の批評家諸氏は、4日~8日に行われる日本のオーケストラの定期を聴き、それについての批評をシンポジウムで発表することになっている。彼らはお国柄で、歯に衣着せずズケズケ批評するはずだから、日本側代表を受け持つ私としては、ある程度日本のオケの擁護にまわらなければならぬかもしれぬ。

コメント

 サントリーで鑑賞(1階右寄り、やや後方)。私のように還暦が近くなると、同じ曲を異なった演奏で聴くより一度も実演に接したことのない曲を生で聴きたいと思うようになります。そういった意味で、前回の英国音楽プロ同様、有意義な夕べでした。
 バルトークは透明感が際立っていましたが、Vaの健闘にもかかわらず、今一つ音の厚みが不足し、各声部のバランスも今一つ。2階で聴いていたら印象は違ったのかもしれません。いつも思うことですが、大ホールでVnを対向配置にした場合、音の指向性によって向かって左の1stが強めに聞こえてしまいます。この曲は大ホール向きではないようです。
 シュミットは極めて耽美的で、聴きごたえのある箇所も多々ありますが、マーラーの亜流としてはあまりに対位法的な要素が希薄です。演奏が立派であればあるほど曲の弱点が目立ってしまう…。それが今日の演奏でした。

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