2017-08

12・7(日)ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団 「千人の交響曲」

     ミューザ川崎シンフォニーホール  3時

 マーラーの第8交響曲「千人の交響曲」。「ミューザ川崎シンフォニーホール開館10周年記念コンサート」と題されている。

 思えば、このホールの杮落しコンサート(2004年7月1日)も、秋山和慶指揮東京響の演奏によるこの同じ曲だった。
 10年前のその演奏の時は、コーラスだけでも1千人以上いたかもしれない。2階席のRAとLAまでを埋め尽くしたコーラスが冒頭いっせいに「Veni!」と叫び始めた時には、2階正面最前列で聴いていたこちらは、本当に難聴になるんじゃないかと思ったほどだったが━━。

 しかし今回は、P席の正面と両翼に配置された東響コーラスと、ステージ後方に配置された東京少年少女合唱隊が呼応して歌う程度の数になっていたのはありがたい。こちらが聴いていたのは3階席正面の最前列なので、巨大な釜の中から湧き上って来る大オーケストラと、それを囲む大合唱という感じで、音響的、音量的にもちょうどいいバランスに聞こえる。

 共演の声楽ソリストは、エリン・ウォール(S)、メラニー・ディーナー(S)、アニカ・ゲルハルズ(S)、イヴォンヌ・ナエフ(A)、ゲルヒルト・ロンベルガー(A)、ニコライ・シューコフ(T)、デトレフ・ロス(Br)、リアン・リ(Bs)という顔ぶれ。パイプオルガンは近藤岳。バンダはバルコニー席の3RAと3LAに配置された。

 言っては何だが、私は、この交響曲の前半部分には、どうも共感が持てない。好いと思うのは、第2部の中ほど以降、つまり音楽に叙情的な、神秘的な曲想があふれるようになって以降の部分だけである。
 全曲最後の個所は、たしかに、あの第2交響曲「復活」を上回る忘我的な音響上での陶酔感がある。特に今日のノットと東京響のように、完璧なほどの均衡を保った轟々たるクライマックスがつくられる演奏の場合には、まさに快感ものといえよう。本当に、今日は見事だった━━。
 しかしそれでも、曲の性格ゆえに、感情を根底から揺さぶれるまでには至らないのだ。仕方がない。

コメント

あらあら勿体ない。それなら心からこの曲を聴きたいと思っていた方に譲って差し上げれば良かったのに。この公演は早々に完売、チケットを入手できなかった方も多数いたはず。

少なくともミューザはこの日、自分に相応しい指揮者を見つけたように思える。ソロカーテンコールはホールからの祝福のようでした。そして実際サントリー定期の会員である私も、たとえ同じプログラムであっても監督が振る時はミューザの方も聴きたいという欲求を抑えられなくなりつつある。

ミューザはやはり下層階の方が良いみたい。透明度の高い海の中にダイブして仰向けに浮かび、空から降り注ぐ光の移ろいを眺めているような心地になれました。時折強い潮の流れに巻き込まれるようなことがあっても、あの船長なら大丈夫。見失うことなく絶対に捕まえてくれる。そういう信頼感と共に。

曲の性格ゆえに

7日のコンサート、良かったですね!
この演奏を聴くことができたのは幸いでした。
東条さんもとても感心+心から楽しまれたのだとお察しします。
「曲の性格ゆえに」というのは、きっとマーラーが第8番を書いた背景があったから?知ってしまうとやはり心にブレーキがかかるのかもしれません。
マーラーがもし世の中を意識せず、自分の第8番を書けていたら違うものになっていたのでしょうか。

豪華な歌手陣

ジョナサン・ノットが居るからこその、外国勢の歌手が豪華に揃ったようなもの。早々に買いました。

どこへ出してもおかしくない歌手陣の豪華な顔ぶれ、わざわざこの公演のために来日した歌手ばかり。

初めて歌っているような歌手は少ない。歌い慣れしている印象がありました。

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