2017-08

10・14(火)「ジュリアス・シーザー」

   彩の国さいたま芸術劇場大ホール  1時30分

 これはオペラに非ずして、彩の国さいたま芸術劇場開館20周年記念、彩の国シェイクスピア・シリーズ第29弾、蜷川幸雄演出による演劇である。
 阿部寛(ブルータス)、藤原竜也(アントニー)、横田栄司(シーザー)、吉田鋼太郎(キャシアス)、浅野望(ポーシャ)他の出演。

 舞台上の巨大な階段から客席まで、幅広い空間をダイナミックに動く主役たちや群衆が観客に刺激を与える。これこそがナマの舞台芸術の醍醐味だ。「熱い」人間たちを描いたドラマの迫力でもある。
 ただ、俳優たちの怒鳴りっぱなしの早口のセリフには些か疲れる。オペラなら、音楽の上で昂揚と沈潜、緊張と弛緩とが交錯して行くため、大きな起伏と変化が感じられるものなのだが、こちらでは終始、絶叫が続く。━━しかもその絶叫型セリフの発音があまり明確でない場合には、ますます神経が疲れてしまう。

 このドラマでは、「考え深い高潔の士」ブルータスが全体を引き締める存在だろうと思うのだが、阿部寛の声量と発音は、こういう熱血型人物の群像の中では、残念ながら(私はこの人のファンなので尚更だ)どうもあまり引き立たないような感じがする。
 その点、さすがに見事だったのは、吉田鋼太郎と横田栄司。早口で叫び続けるセリフも、少しも曖昧にならない。それゆえ今回のドラマの印象は、「シーザーとキャシアス」とでもいうべきものになった。

 観客には、圧倒的に女性━━それも幅広い世代の━━が多い。

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