2017-10

9・19(金)ハインツ・ホリガーと新日本フィルハーモニー交響楽団

    すみだトリフォニーホール  7時

 「スーパー・ソリストmeets新日本フィル」シリーズの一環。今回は、オーボエの名手であり指揮者でもあるハインツ・ホリガーが登場。
 ハイドンの「オーボエ協奏曲ハ長調」を吹き振りで演奏、そのあとに自作の「クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌」と、マーラーの「交響曲第4番」を指揮した。

 指揮者としてのホリガーの音づくりは既に知られている。彼のイメージとは少し違う(?)非常に安定感のある、どちらかといえば剛直な、しかもアクセントの鋭い音の構築が持ち味だ。
 肝心の彼のオーボエの音色そのものは、私はあまり好きではないのだが、しかし演奏にこめられたヒューマンな情感には魅力を感じる。ハイドンでは、豊嶋泰嗣をコンマスとする新日本フィルが、しっかりした音でホリガーのソロを支えていた。

 自作の歌曲は、1956~57年にソプラノとピアノのために作曲され、2003年に管弦楽版とされたものという(八木宏之氏のプログラム解説による)。非常に色彩的で美しい響きを持ち、しかもオーボエの扱いも際立つ作品で、━━冒頭など、まるでベルクかシェーンベルクの初期の作品を思わせるところもあるし、全曲の中ではラヴェルやベルリオーズなどの遠いエコーのようなものも聴けるという音楽でもある。
 日本初演は2010年に彼自身が名古屋フィルを指揮して行なったそうだが、その時に歌ったソプラノの秦茂子が、今日も見事な歌唱を聴かせてくれた。

 マーラーの「第4交響曲」は、実にユニークな解釈である。全ての個所でというほどではないけれど、オーケストラをマッスとして捉えるよりも、個々の楽器(特にオーボエやクラリネットなどの木管楽器!)を際立たせ、それらの音色を目覚ましく対比させつつ音楽を進めて行くといったようなところのある指揮だ。したがって音楽は極度に凹凸が激しく、極端に言えば「不調和の連鎖」とでいった構築になる。
 良くも悪くも、これほど神経質で刺激的な「マーラーの4番」は、滅多に聴けないだろう。非常に面白いが、正直なところ、聴いていて少々疲れた。第4楽章でのソプラノ・ソロも秦茂子。

コメント

マーラー4番、さっぱり記憶に残っていないか(MCOハーディング)、ちっとも面白くないか(読響カンブルラン)のどちらかの演奏体験しかなくて、他の1・5・6・7・9番あたりと較べても曲全体の印象が一向に定まってこなかったのに、こんなに楽しい曲だったとは。俄には信じ難く殆ど度肝を抜かれるレベル。優しくて可愛くて痛ましくも美しい。シーズン早々にこのような演奏に出会うことができて幸せでした。

私はホリガーさんの音を聴くと最初のフレーズで確実に涙腺が決壊してしまうのですが、今回はオーケストラからもそういう音が出ていたように思います。前回の共演時よりもシンクロ度合いが高まっていたかと。次は是非定期で。

9/25日センチュリー響の定期で彼の指揮聞きました。プログラムがユニークでそれだけでも期待していた。
ハイドン「オーボエ協奏曲、シューマンの1番(春)後半にハンガリーのヴェレッシュ「バルトークの思い出にささげる哀歌、バルトーク「二つの映像というもの、「春」はこんなにいい曲だったかと思わせられたのと後半の2曲は硬質の弦楽器が巧く機能した名演でした。久しぶりにサイン会参加した次第。

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