2020-07

7・26(土)仙台フィル&山響 合同演奏会 小泉和裕指揮

     東京エレクトロンホール宮城  3時

 伊丹空港内の大阪空港ホテル━━ここは清潔で便利だ━━に一泊、9時45分のANAで仙台へ飛ぶ。仙台空港からは仙台駅へ直通の鉄道があるので便利だ、と聞いていたその電車に今回初めて乗ってみたが、車両編成は小さいし、なんと1時間にたった2本というダイヤだ。車内はラッシュ時並みの混雑。これでは不便だろう。

 今回は、芸術文化振興基金助成の事後調査も兼ねての取材。
 会場は「東京エレクトロンホール宮城」というから、何かの大きなイベント会場かと思っていたら、何のことはない、昔からあった宮城県民会館のことだった。地下鉄の勾当台駅や県庁に近く、繁華街の定禅寺通りに面した古い建物だが、内部は改装されたそうで、現在の客席は1590。

 これは、仙台フィルハーモニー管弦楽団(常任指揮者パスカル・ヴェロ)と山形交響楽団(音楽監督・飯森範親)の合同演奏会。今日はここ仙台で、明日は山形で開催される。

 合同演奏とはいっても、必ずしも両団体の全員が顔見せのためにステージに乗っているわけではなく、パートによっては降り番もあるとのことで、弦16型という、アンサンブルのバランスを重視した編成が採られているのは好ましい。コンサートマスターは、仙台フィルの西本幸弘と、山形響の犬伏亜里が、曲により交互に務めている。
 今年の指揮は、仙台フィルの首席客演指揮者・小泉和裕。プログラムはレスピーギの「ローマ3部作」で、「噴水」「祭」「松」の順に演奏された。

 ホールの音響はあまりクラシック音楽向きとは思えないものの、そこはオーケストラのバランスを整える巧さにかけては昔から定評のある小泉和裕である。管弦楽全体を見事な均衡で響かせ、ダイナミックな迫力をつくり出しただけでなく、ピアニッシモにおいても明晰な音色を失わせなかった。レスピーギ特有の色彩感という点では少し物足りなかったとはいえ、残響の少ない、音も拡散する傾向の会場でこれだけの量感のある演奏ができたとあれば、まず御の字というべきだろう。

 ただし、演奏は良かったのに、お客の入りが芳しくなかったのは惜しまれる。猛暑の土曜日の午後のせいか、それとも? 地方ではこのプログラムは意外に集客が難しいものなのだ、という意見もあったそうである。

 「祭」の1曲目「チェルチェンセス」と「松」の4曲目「アッピア街道の松」でのバンダ〈トランペット他〉は下手側花道に配置されていた。リハーサルの時にあちこち位置を動かしてテストし、結局そこに落ち着いたということだが、しかしこれは1階席中央から下手寄りに座っている聴き手にとっては、聴感上、極めて厳しいものがあった。
 客席(もしくはそれに近い位置)にバンダを配置するのは当たり前のように行われる手だが、それはいったいだれのための方法なのか、と私は以前から疑問に思えてならなかった。演奏者(特に指揮者)にとっての良いバランスがすなわち聴衆にとっても良いバランスだとは限らないのである。何より、演奏というものは、まず聴衆のために行われるものではないのか?

 3時35分終演。
 明日の山形公演取材に備え、夜、バスで山形に移動。このバスは15分に1本というダイヤで、宮城県庁前と山形駅とを75分前後で結ぶという、便利な定期バスである。
         ⇒モーストリー・クラシック10月号 公演Reviews

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