2020-05

7・13(日)インゴ・メッツマッハー指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

     サントリーホール  2時

 新日本フィルのConductor in Residenceを務めるインゴ・メッツマッハーが指揮、ベートーヴェンの「エグモント」序曲と「英雄交響曲」を取り上げ、その間にベルント・アロイス・ツィンマーマンの「トランペット協奏曲《誰も知らない私の悩み》」をホーカン・ハーデンベルガーのソロとともに演奏。

 冒頭の「エグモント」序曲が、これほど骨太で剛直な力感を以って、しかも威嚇的に演奏されたのを、私はこれまで聴いたことがない。怒号するティンパニと、力強いコントラバス群とが、地響きするような重量感をつくり出す。しかもそれは決して鈍重になることなく、かなりの速いテンポで突進するのだから、なかなか物凄いものがある。

 「英雄交響曲」でも同様で、弦14型の編成をどっしりと響かせ、低音を基盤にして全体の音を構築するという、ドイツの指揮者とオーケストラがしばしば行なうスタイルを聴かせてくれた。特に第4楽章では、あの第1主題がバスで強力に全管弦楽を支えて行くさまが初めてはっきりと聞き取れたように思う。
 ドイツ的と言えば、第3楽章トリオでの3本のホルン━━あれを、まるで「ドイツの森に響く角笛」のような趣で力強く朗々と吹かせたのには少々驚いた。このオケのホルンも、思い切って吹けばここまで行くじゃありませんか、という感。

 第1楽章提示部反復込みで演奏時間約46~47分というかなり速いテンポに、重量感と豪快な歯切れのよさ、明晰で引き締まった音のつくりも目覚ましく、極めてスリリングな「英雄交響曲」となった。メッツマッハーという指揮者、やはりただものではない。

 コンチェルトは15分ほどの長さながら、様々なジャンルの音楽が混合された縦横無尽な趣の曲想が面白い。だが何と言っても光ったのは、ソリストのハーデンベルガーの鮮やかな、多芸多才(?)のテクニックと表現力だ。彼のソロ・アンコールでの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」も微笑ましい。

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