2019-08

7・4(金)リオール・シャンバダール指揮ベルリン交響楽団

  サントリーホール  7時

 運命・皇帝・エグモント━━というプログラムは、流石に強力である。まして、オーケストラにベルリンという名がつけば尚更だ。ほぼ満席であった。

 このオーケストラは、旧西ベルリンに1966年創立された団体。昔ザンデルリンクらが指揮していた東独のベルリン交響楽団(現ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)とは異なる。
 今回の来日ツアーは6月14日から7月6日までの期間。ベートーヴェンの交響曲がプログラムの中心になり、栃木では2日間4回の演奏会で、「第9」を含む全9曲が取り上げられたそうだ。今夜も全ベートーヴェン・プロで、「皇帝」のソリストは及川浩治。前記3曲の演奏は、言うまでもなく、逆の順序である。

 言っちゃ何だが、今どき珍しいほどのゆるキャラ的演奏だ。アンサンブルをピタリと合わせるなどという発想は、この指揮者にとっては全く重要でないらしい。
 「運命」の冒頭の8分音符3つが4つに聞こえた━━なんてのは笑い話の世界だと思っていたが、今日の演奏では、4つとまでは行かぬまでも、3・7くらいには聞こえたのではなかろうか。
 第3楽章後半での弦のピッチカートは、それぞれが自由にやっているといった感だし、第4楽章最後の3本のトロンボーンは明らかにずれて、ダダーンという2連発になっていた。

 今日がツアーでの7回目の演奏だから、練習不足のはずはない。意識的に鷹揚なのか、でなければルーティン演奏でいい加減、ということになるだろう。
 アンコールは「ペール・ギュント」の「朝」(何でいきなりここにグリーグが?)、「フィガロの結婚」序曲、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」、エルガーの「エニグマ変奏曲」からの「ニムロッド」だったが、「フィガロ」のコーダで弦が細かい動きでクレッシェンドする個所など、あまりにバラバラなので、失礼だが吹き出してしまった。

 ただ、こういうことで音楽が滅茶苦茶になったかというと、そこはそれ、伝統豊かな音楽都市ベルリンのオケの強みというのか、何となく雰囲気でまとめてしまうのだから、羨ましい話だ。つまり、気にさえしなければそれなりに、という形にはなっているのである。

 しかし、こういうスタイルの指揮者とオケだから、及川浩治が異様なほどの猛烈なヴィルトゥオーゾ的な勢い(これにも大きな疑問がある)で弾きまくった「皇帝」での、ソロとオケとのどうしようもないアンバランスな組み合わせは、私には耐え難かった。もっとも、オケのアンサンブルは、ソリストとの対抗ゆえか、この「皇帝」がいちばんまとまっていたが・・・・。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

巡業オケ

ベルリン響さんは私の北国の奥にも度々巡業してくれるエキストラ団員オケですが吹奏楽に打ち込む指導者、青少年たちには響もフィルハーモニーも変わらないようです。

先月のフィラデルフィアもですが日本人の舶来、金髪オケ主義はオ-ディオにも蔓延してます。

評論家先生たちにも過去の栄光にとらわれない健全な音楽界の発展に啓蒙よろしくお願いいたします♪

十年ぶりのサントリーホールの音にさすが ! と頭から興奮気味の状態で、元気な皇帝に、フムフム確かに・・・東条様のおっしゃる「雰囲気」にのせられて、運命の出だしのなんかへん???も、気のせい? に・・・アンコールのブラームスにご機嫌よく、エルガーでしっくりまんまとお休みモード、サントリーホールをあとにいたしました。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/1953-5a6f27f7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」