2019-05

6・28(土)飯森範親指揮山形交響楽団 東京公演

     東京オペラシティ コンサートホール  6時

 恒例の、いわゆる「さくらんぼコンサート」である。入場者には抽選で山形のさくらんぼが贈呈されるほか、ホールのロビーには山形の名産物がずらりと並べられ、休憩時間には威勢の良い売り声(!)が客の購買意欲を誘う。カーテンコールで音楽監督・飯森自身が聴衆に「次は山形へどうぞ」と呼びかける。これぞ地方都市オーケストラの鑑━━だ。

 今年のプログラムは、シューベルトの「未完成交響曲」、ドゥヴィエンヌの「フルート協奏曲第7番ホ短調」、ベートーヴェンの「英雄交響曲」。アンコールは「(終演時間が延びて)もう遅いので、今年はやりません」と飯森(客席からは落胆の笑声)。

 オーケストラの編成は「8型」(第1ヴァイオリン8人)編成という小ぶりだが、音量は非常にたっぷりしていて、このホールを鳴らすにも充分のものがある。
 山形で7年越し開催しているモーツァルト・ツィクルス「アマデウスへの旅」の成果を示すことと関連させる意味か、演奏にはナチュラル・ホルンやナチュラル・トランペットの使用を含めてピリオド楽器奏法が使われたが、その響きも極めて優れたものであった。

 ステージにあふれるブリリアントな音色は、昔のあの地味なイメージの山響からは予想も出来なかったほどの素晴らしさである。よくぞここまで「意気軒昂なオーケストラ」に変貌できたものだ。これは、音楽監督・飯森範親のたぐいまれなリーダーシップはもちろん、事務局スタッフや楽員の頑張りのたまものにほかならないだろう。

 プレトークにおいて飯森は、ホルンとトランペットとトロンボーンの奏者たちを舞台に招き、実際に奏法や音色を例示させたり、奏者に解説させたりして、ピリオド楽器の特徴を解り易く示していた。これも実に懇切丁寧な方法であった。

 なお協奏曲のソリストは南部やすか。音色は綺麗だが、全ての音をレガートあるいはテヌートで、しかもイン・テンポで単調に吹き続けるので、オーケストラのリズムの躍動と全く遊離した演奏になっていたのが気になった。
 「英雄交響曲」フィナーレのコーダは、見事な昂揚感。

コメント

地方プロオケ、アマオケ多数ありますがサイズの問題ではなく、しっかりした将来を見据えたマネージメントと意欲的で優れた音楽家たちが成し遂げたのが山響と思います。

隣りの県から創立当時から何度か伺っておりますが音教でもますますの良い仕事に感じてます。

地方オケは流行りの大編成は組める楽団に任せトラなどは使わずエスプリを感じさせる企画力を勉強しましょう♪


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