2019-05

6・26(木)イザベル・ファウスト&アレクサンドル・メルニコフ

   東京芸術劇場コンサートホール  7時

 都民劇場公演。モーツァルトの「ソナタ第29番イ長調K305(293d)」、シューベルトの「幻想曲ハ長調」、シューマンの「3つのロマンス」、ブラームスの「ソナタ第3番ニ短調」というプログラム。
 そしてアンコールは、後半のプログラムのシューマンとブラームスに合わせ、彼らの共同作曲による「F・A・Eソナタ」から、シューマンによる「インテルメッツォ」と、ブラームスによる「スケルツォ」。━━見事な取り合わせだ。

 イザベル・ファウストの演奏は、先日のコンチェルトの時とは些かニュアンスを変えて、厳しい集中性にあふれた世界をつくり出していた。精妙で生気に富んだ表情と、瑞々しさと鋭さが共存する音色が見事だ。モーツァルトとシューベルトをこれほど張りつめた美しさで演奏するヴァイオリニストは、決して多くはないだろう。
 シューマンの「ロマンス」では、ヴィブラートをほとんど使わずに、直線的な旋律構築を行なっていたが、この曲がもとはオーボエとピアノのための作品だったことを思えば、いっそう興味深い。
 最後のブラームスのソナタにいたって、それまでの緊張からついに解放される。変な言い方だが、私はブラームスの室内楽を聴くと、この人の室内楽こそはまさに「正真正銘の室内楽」なのだな━━という気持になってしまうのだ。

 惜しむらくは、2人の演奏には、このホールはいかにも大きすぎること。なにしろ、演奏された曲のうち、ヴィヴァーチェ的な曲想のものはほとんどない上に、大きな音といえば僅かにブラームスのソナタの第4楽章と「スケルツォ」だけだからである。言っても詮無いことだが、これはやはり、中規模ホールで聴くべき演奏だったかもしれない。

コメント

中規模ホールでの演奏

翌6月27日には、神奈川県立音楽堂で同プログラムのコンサートが
あったわけですが、これは演奏を味わう上ではずっと良い条件だった
だろうと思います(椅子が狭くて固いのはあそこの問題ですが)。


とにかく、ピアノとヴァイオリンの2重奏で何ができるかを、これほど
考え抜いて行っている演奏はまれでしょう(逆に、もう少し能天気に
メロディーを歌って欲しいと思う人もいるかもしれません)。この日の
聴衆も、とても良い集中力で演奏を味わっていたように思います。

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