2008-05

4・29(火)藤岡幸夫指揮 関西フィル「レニングラード」

  ザ・シンフォニーホール(大阪)

 再び激震に襲われている大阪のオーケストラ界で、経営も決して楽ではない自主運営の関西フィルハーモニー管弦楽団が頑張り続ける。

 3月の第200回定期では常任指揮者・飯守泰次郎がワーグナー・プロを指揮(東京公演も行なった。3月30日)。続いて今日の4月定期では、首席指揮者・藤岡幸夫がショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」を指揮した。
 西濱秀樹事務局長のプレ・トークによれば、「大編成でカネのかかるものばかりやっているので、なんか『終り』っぽい、なんて言われましたが、そんなことは絶対ない」とのこと。こういう時代だからこそ、自主運営オーケストラの意地を見せようとばかり気合をこめている姿勢は、尊敬に値するだろう。今年1月から定期は完売を続けているそうで、今日もまさに満席であった。

 関西フィルはこのところ、指揮台に提供スポンサーの帯を巻き付けているという話を聞いていたが、なるほど今日の指揮台にも「suported by NTT DoCoMo」という赤いベルトが見られた。またプレ・トークの最後にも、西濱事務局長みずから提供スポンサーの名をクレジットしていた。
 これは、悪いことではない。自治体から数億の補助金を貰っているオーケストラと異なり、自主運営の関西フィルは企業からの支援に頼るところ大だから、民間放送局同様にこのようなことを行なうのも、むしろ当然というべきである。プログラムにも、CD展開を含めたオーケストラの活動を1ページに凝縮して掲載し、「私たち関西フィルは、年間120回以上のオーケストラ公演を開催。毎年延べ10万人近い方々へ感動をお届けしています」と、企業や自治体にとっても非常に解りやすい表現でアピールしている。こういった姿勢は大切であろう。
 お高くとまっていては、オーケストラは成り立たぬ。そういう状況は、昔も今も、常に背中合わせに存在する。

 さて演奏だが、意気が先走りしてか、瑕疵がないわけではなかったものの、藤岡とオーケストラが総力を挙げたものとして、その出来栄えを讃えたい。特に第3楽章での弦の歌い込みや、終楽章クライマックスにおける全管弦楽の法悦的な熱狂などには、真摯さがあふれていた。
 正規楽員数60名以下の関西フィルにとって、このような大編成の作品を手がける機会はそう多くなかったと思われるが、そのような場合には練習回数をいつもより増やすなどして練磨すれば、さらに上の水準が狙えるのではなかろうか。
 
 なお、プログラム前半には、先年のショパン国際コンクールで4位に入賞したこともある関本昌平(23歳)をソリストに、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番が演奏された。爽やかなモーツァルトだった。

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