2019-08

6・15(日)サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2014
キュッヒル・クァルテット ベートーヴェン・サイクルⅢ

    サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2時

 今年の「チェンバーミュージック・ガーデン」は、7日から22日まで。内外の名手を集めての、すこぶる大掛かりな室内楽フェスティバルだ。

 その中でも真打は、キュッヒル・クァルテットによるベートーヴェンの弦楽四重奏曲全16曲を中心とした、6回にわたるツィクルスだろう。ヴァイオリンがライナー・キュッヒルとダニエル・フロシャウアー、ヴィオラがハインリヒ・コル、チェロがロベルト・ノーチ(ノージ?)という、ウィーン・フィルのメンバーによる顔ぶれである。
 今日は第3日で、「第3番」「第9番《ラズモフスキー第3》」「第14番作品131」。

 ウィーン・フィル特有の音色で彩られた美しい響きもさることながら、4人の演奏家が持っている均質な音楽性と、作品への共感の深さ━━それがあの素晴らしい演奏を生み出す原動力なのだろう。
 とりわけ今日は、「ラズモフスキー第3」における、一分の隙もない構築感と、凄まじいほどの緊張力に圧倒された。これだけ見事な「ラズモの3番」の演奏には、なかなか出会えないだろう。たとえこれ1曲を聴いただけでも、今年のシリーズに来た意義がある。

 これに対し、「131」は、やはり難曲だろう。冒頭2小節目で名手キュッヒルの音が擦れるというアクシデントなどはどうでもよいとしても、プレスト楽章での目まぐるしい音の跳躍、飛躍、交錯、応答などでは、「ま、細かい所はともかく」という感は否めない。もちろん、並みの弦楽四重奏団には真似できぬような「心に響く」音楽が聴けたことはたしかで、それは特にアダージョやアレグレットの楽章で余すところなく発揮されていた。

 ホールを埋めた聴衆の反応も実に率直で、「ラズモの3番」のあとの拍手は文字どおり熱狂的だったが、「131」のあとの拍手の音は、どちらかというとやや冷静だった。

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