2019-05

6・14(土)ドミンゴ・インドヤン指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

   すみだトリフォニーホール  2時

 これは定期でなく、「新クラシックの扉」というシリーズ。

 インドヤンはヴェネズエラ生まれで、例の有名な音楽教育システム「エル・システマ」の出身。昨年からベルリン州立歌劇場でバレンボイムの「第1アシスタント」なるものを務めているという、バリバリの若手である。
 演奏した曲は、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲と「交響曲ニ長調《プラハ》」、シューマンの「交響曲第3番《ライン》」。

 インドヤンは2012年10月にハウシルトの代役として新日本フィルに客演したことがある。その時に聴いた印象と、今回の印象とは、だいぶ違う。ある意味では、かなり自分の個性を明確に出しはじめている、と言っていいかもしれない。
 今日の指揮を聴く範囲で言えば、ストレートな指揮ぶりで、テンポやデュナミークなども全く誇張なく、ひたすら真正面から作品に取り組むといったタイプの指揮者という印象になるだろう。大編成による分厚い音づくりも、彼の指揮の特徴のようだ。音色にも、やや野暮ったい雰囲気がある。

 それもあって、モーツァルト2曲は、生真面目な良さはあるが、演奏としてはあまり面白くない。むしろ「ライン」の方が━━淡々と進めながら無味乾燥にならない良さがあった。特に第4楽章での、暗い色合いに満たされた哀愁と悲劇性には、予想外の魅力が感じられたのである。
 アンコールでのドヴォルジャークの「交響曲第8番」第3楽章でもそうだったが、概して明るく整然とした音楽よりも、どちらかといえば粘りのある、陰影の濃い音楽の方に、彼の良さが出るのかもしれない。たった1回の演奏会で判断するのは早計だろうけれども。

 新日本フィルは、名曲コンサートゆえか、一定の水準を保ちながらも、些かルーティン公演的な演奏という感。活躍の場が多いホルンは、第1楽章でのように朗々と聞かせ場をつくる個所では良かったが、第2楽章での木管と細かく絡み応答しあう個所(第10小節以降あるいは第29小節以降)などでは、どうもあまり褒められたものではなかった。

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