2008-05

5・17(木)小澤征爾指揮ウィーン・フィル

ウィーン国立歌劇場

 前日にウィーンに入る。一夜明けた今日は、雨で寒い。
 8時より、マーラーの第2交響曲「復活」。
 マーラーの命日に開催される、恒例の「マーラー・コンツェルト」だ。
 このシリーズは、1995年に小澤征爾が指揮する「復活」で開始され、以降ジュリーニ、ムーティ、マゼール、メータ、シノーポリ、ガッティらが指揮台に登場してきた。だが、今回で最終回とか。オープニングと同じ指揮者と曲で結ばれるという趣向。

 客の半分は日本人ではないかと思われるくらい。県人会みたいな雰囲気だ。チケットが入手困難だったのは、日本のツァーに買い占められたせいなのかしら。

 小澤が指揮するウィーン・フィルの演奏にはある種の緊張感があり、クライマックスでの高揚など、充分に聴きごたえがあったと思う。両端楽章のテンポは速めだし、表情も相変わらず直截で、無駄なものは一切ない。
 歌劇場だから残響には乏しく、舞台上のオーケストラの音が極度に乾いて聞こえるため、演奏に潤いが不足する印象は拭えないが、そのへんはこちらの感覚で補正するしかあるまい。会場の音がたとえ悪くても、ウィーン・フィルはやっぱりウィーン・フィルである。

 終演後にマエストロの楽屋を訪れる。
 詳しく書くのは控えるが、どうもこのウィーン国立歌劇場と小澤さんの組み合せは、座りがよろしくない。私は「音楽の友」での鼎談をはじめ、以前からあちこちでそれを正直に言いすぎて、たたかれるもとになっているのだが、しかし学生時代からの根っからの小澤ファンである私にとっては、われわれのかけがえのないスーパースターである彼がこの歌劇場で現在のような立場に追い込まれているのを見るのは辛く、いても立っても居られないような気持になるのである。
 彼が得意とするオペラのレパートリーは、このウィーンのレパートリーではない。彼の本当の良さを生かせる場所は、もっとほかにあるはずなのだ。

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