2017-08

3・5(水)尾高忠明指揮札幌交響楽団のシベリウス

   サントリーホール  7時

 恒例の、尾高&札響の東京公演。
 昨年に続くシベリウスの交響曲ツィクルス第2回で、今年は組曲「恋人」および交響曲の「第4番」と「第2番」だった。2月28日と3月1日の札幌での定期で取り上げたあとでの東京公演である。

 尾高のシベリウスは、いわば彼の必勝の十八番ものだが、今回は「満を持して」――あるいは10年に及ぶ札響での音楽監督時代の総仕上げのような意味で――の全曲ツィクルスということだろう。但しこれは3シーズンに分けて行われているものだ。

 昨年の「1番」「3番」も良かったけれど、今年の演奏は、これまで聴いた東京公演の中でも、おそらく最も情熱的なものではなかったろうか。
 特に「第2番」での壮烈かつ劇的な燃焼ぶりは、尾高&札響の演奏の中でも、群を抜いた水準にあったと思う。第2楽章での金管のクレッシェンドの輝かしさは完璧なほどのバランスを備えていたし、それに呼応する弦の厚みと力感も、実に見事だった(コンサートマスターは大平まゆみ)。また、第4楽章の頂点での金管を含むオーケストラの昂揚も、何か体当り的な没入とでもいうべく、聴き手をエクスタシーに巻き込むような勢いを備えていた。

 「4番」は、沈潜した厳しい、悲劇的な情感をあふれさせた作品で、いわば「究極のシベリウス」像でもあるが、ここでも尾高&札響は見事な緊迫感を漲らせ、生々しい響きで叙情性を聴かせてくれた。

 かように、尾高&札響の本領ここにあり、という気魄を余すところなく発揮してくれたのが、今回の東京公演であったろう。以前は、札響の東京公演は、本拠地のKitaraで聴く演奏とは不思議に落差があって不満を感じていたものだったが、少なくとも昨年と今年は――特に今年は、圧倒的だった。

 アンコールはまた定番の「悲しきワルツ」。それはそれでいいのだが、しかし、たまには他の曲をやってもらえませんでしょうかね。シベリウスには他にもいい小品がたくさんあるはずでしょうが・・・・。
     モーストリー・クラシック5月号 公演Reviews

コメント

恋人も、交響曲も、堪能しました。
初めて、札幌交響楽団を拝聴しましたが、感動しました。質朴というのは失礼か、ナチュラルで、ひたひたと情熱が伝わってくる演奏でした。管群がよかった。
 チェロのソロも。
二回しかブラボーは飛びませんでしたが、二回目に声を上げていたのは私です。

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