2019-07

2・4(火)川瀬賢太郎指揮読売日本交響楽団

   東京芸術劇場  7時

 川瀬君は、ステージに出て来る時に、もっと気魄をみなぎらせて元気に歩いてきたらどうか、若いのだから・・・・などと以前書いた記憶があるが、今日はだいぶ勢いよく進んで来たので一安心。しかし、答礼をする際に何となく萎んだような表情になることがあるのには、また落胆。
 ナマの演奏会では、指揮者のステージマナーは演奏内容に劣らず大切なのだ。会場が盛り上がるかどうかが、そこでまず決まるからである。

 さて、プログラムには、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」と「幻想交響曲」との間にメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」を挟むという、いわば情熱と気魄の作品が並んでいた。
 だが「ローマの謝肉祭」は、快速ではあるが何か燃えない、形だけの賑やかさに終始した演奏になってしまっていたのは・・・・残念だ。

 「幻想交響曲」も、第1楽章序奏はじっくり構えたテンポで始められたものの緊張感に不足し、楽章主部に入って漸く活気が感じられて来るという状態。
 コーダでの演奏にも、もう一工夫欲しい。この楽章はいわば緩―急―緩の構成を採っているだけに、安らぎを求める終結の個所が、情熱的な狂乱のあとの自然な帰結――という印象を生むような、有機的な結びつきを持つテンポの設定になっていたら、と思うからである。

 遅いテンポになると緊張感が薄らいでしまうのは、たとえばコンスタンティン・トリンクスのような若手指揮者にも聞かれる欠点だが、川瀬にも早くそれを解決していただきたいものだ。
 それを除けば、第2楽章以降は、まずまずといったところだが、それにしても・・・・たとえ大音響を轟かせても、音楽に、それにふさわしい熱気が伴っていないというのが、もどかしい。

 いずれにせよ、ステージの雰囲気や演奏の内容から判断する限りでは、彼と読売日響との相性は、今のところはあまり良いとは感じられない。だが彼には、間もなく神奈川フィル常任指揮者としての活動が始まる。希望の星なのだから、思い切って若々しく暴れて欲しいものである。

 協奏曲のソリストは、志茂美都世だった。プロフィールを見ると見事なキャリアを持っている人だが、今日の演奏を聴いた範囲では、どうも腑に落ちないことばかりだ。演奏は一本調子で平板だし、第1楽章など終始息づきのないレガートで弾いてしまうという印象である。ドレスの裾なんかを気にする前に、音楽の起伏に気を配りましょう。

コメント

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いつも楽しく拝読させていただいております。
私も数年前に川瀬さんの演奏を聴きましたが、東条先生が書かれてるのと全く同じ印象を持った憶えがあり、以来何をさておいても聴きに行きたい!と思わなくなってしまいました。ステージマナーのこわばった表情、全体に平坦に終わってしまう演奏。。。あれだけこわばった表情で登場されてしまうと、見ているこちらの心までクっと硬直してしまうような気がします。演奏とは関係ないとは思いますが、目で見た印象とは怖いものですね。
神奈川poとの共同作業にじっくり取り組む準備もされてると思うので、今度は顕著に聴いてみようと思います。

川瀬さんの指揮を見て

昨日初めて川瀬さんの指揮ぶりを拝見しました
わが国にも新しい人材を発見した感じです
今後の活躍を見守ります

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