2019-05

11・15(金)紀尾井シンフォニエッタ東京&ペーター・レーゼル

   紀尾井ホール  7時

 ドイツの指揮者イェルク=ペーター・ヴァイグレが客演した紀尾井シンフォニエッタ東京の定期公演を聴く。
 ペーター・レーゼルの弾くシューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」を真中に、メンデルスゾーンの「弦楽のためのシンフォニア第7番ニ短調」と、シューベルトの「交響曲第5番変ロ長調」で前後を固めている。実に品のいいプログラムだ。

 レーゼルは、シューマンのコンチェルトを、実に深々と温かく、しかも風格豊かに弾く。彼の表現にかかると、シューマンという作曲家が――もちろん、所謂ロマン派の叙情詩人といった趣は失わぬまでも――常日頃よりも毅然として確信に満ちた、生真面目な精神の持主として立ち現れて来る。少し重めで渋めで、落ち着いた気品とヒューマンな情感を漂わせる響きで再現されたこの曲は、いつもとは違った魅力を感じさせてくれた。

 ソロ・アンコールで弾いた「トロイメライ」が、これまたちょっと無骨で、訥々たる温かさにあふれる語り口だったのも面白い。
 次回(来年11月)には、このオケの定期で、ブラームスの「1番」のコンチェルトを弾いてくれるそうである。

 イェルク=ペーター・ヴァイグレの指揮をナマで聴くのは、これが初めてかもしれない。これだけではどうも彼の芸風の全貌は掴みにくいが、言っちゃ何だけれども、そう面白い指揮者でもない。
 紀尾井シンフォニエッタ東京はきちんと演奏してはいたが、音の色合いには、変化が乏しかった――メンデルスゾーンの作品でもそうだったが、特にシューベルトの第2楽章での転調個所などでは、たとえば一瞬雲が切れて陽が射して来るような気分の変化をもっと出せたらな、ともどかしい感じもしたのである。これは指揮者の責任だろうが、客員コンマスのアントン・バラホフスキーにもその一端があるかもしれぬ。
 ただ、この指揮者は、曲の頂点へ向けて追い上げ、終結感を巧く打ち出す術には長けているようだ――たとえばシューベルトの第1楽章の終りなど。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/1778-89ba5dbf
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」