2019-05

11・8(金)ハーディング=新日本フィルのマーラー「7番」

   すみだトリフォニーホール  7時15分

 交響曲第7番「夜の歌」は、マーラーの交響曲の中で、私が今一番興味を持っている曲だ。
 滅多にナマで演奏される機会のない曲だし、フィナーレを除く4つの楽章には、何か妖怪じみたミステリアスな雰囲気もあって、これがまた面白いからでもある。

 マーラーはこの交響曲を初演したあとで、出版社への手紙に「この曲はそれほど大編成でもないし、明朗快活な交響曲なので、すぐさまコンサートホールのプログラムに乗ると思います」と書いているが、その予想は外れた。これは彼の交響曲の中では、費用のかかる(?)「8番」に次いで演奏の機会の少ない曲になってしまったからである。
 演奏の機会が少ないというのは、この曲の内容や構成にすこぶる複雑な要素があり、そのため指揮者にとって巧く演奏することが極めて難しいからだという話が昔から広く伝わっているが・・・・。

 その演奏の機会の少ない曲が、たまたまかち合った。
 今日はまず、ハーディングと新日本フィルの演奏を聴きに行く。
 ハーディングは、日本のオーケストラを指揮する時にはあの縦横無尽な冒険の演奏を控え、ごくストレートな演奏をするのが常套だが、今回も正面切ったアプローチ。それだけに、各楽章の中に様々な要素が気まぐれなほどに織り込まれているこの作品の、あまり論理的でない構成をも、そのまま率直に表出して行ったという感もある。

 これは、見方を変えれば、作品がはらむ雑多な要素を巧く取りまとめるという点では今一つだった、ということにもなるだろうか。もともと曲想にスムースな流れのない第5楽章などでは、それが良くも悪くも全部出ていたようである。だがその中で、終結近く、主題が最後の歓呼を始めるあたりで、演奏に突如漲り始めた湧き立つような解放感と昂揚感は、すこぶる見事なものであった。

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