2019-11

10・13(日)東京響次期音楽監督ジョナサン・ノットのR・シュトラウス

     サントリーホール  2時

 東京交響楽団音楽監督への就任(来年4月)が決まっているジョナサン・ノットが指揮する定期。まずはR・シュトラウス・プロで、「4つの最後の歌」と「アルプス交響曲」を取り上げた。

 「4つの最後の歌」の冒頭から、柔らかい音が流れ出る。シュトラウス最晩年のこの作品にふさわしい、温かく豊麗な音色だ。厚みのある響きのうちにも内声部は明晰に交錯し、作曲者の贅を尽くした色彩的な管弦楽法が見事に再現される。空間的な拡がりを感じさせながらも無駄なく引き締まった密度の濃い響きも好ましい。
 殊更な誇張を避け、正確に、微細に音楽をつくって行くノットの指揮に、東京響は実にふくよかな、柔軟な音で応えていた。第3曲での官能的な表現など、なかなか優れていたと言ってもよいだろう。

 ノットは「アルプス交響曲」でもこうした特徴を巧く生かしていたが、描写音楽的な性格を誇張することをつとめて避け、イン・テンポで、ひたすら正確に淡々と音楽を構築して行った。彼のこれまでの指揮からすれば、まずこうした音楽がつくられるのは予想されたことだが、むしろ東京響がこれだけ明朗な、しかもヒューマンな感性で応じて行ったことが、うれしい驚きであった。現・音楽監督ユベール・スダーンの、隙の無い厳しい構築で音楽を追求する手法とはまた違ったノットの指揮は、このオケに新たな可能性を導き入れるだろう。

 「4つの最後の歌」では、ソプラノ・ソロをクリスティーネ・ブリューワーが歌っていたが、この曲で、高音域をあんなに鋭く無理して叫ぶような歌い方をされては、ミもフタもない。

コメント

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ジョナサン・ノットの指揮で、来シーズンのスケジュール発表になったけど、

<これなら行く>というプログラミング、多いですね。

バンベルグ響が、来なくなっちゃうのは避けて欲しいね。

東京交響楽団が、ドイツ演奏旅行行って、知名度上げる工夫したら、もっとレベル上がるのに。。

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