2008-05

4・4(金)東京室内歌劇場「星の王子さま」

  紀尾井ホール

 サン=テグジュベリの有名な原作をもとにした新作の室内オペラで、アルベルト・カルーソの台本・作曲・指揮、畑中更予の台本日本語訳とナレーション、栗山昌良の演出。

 全篇ゆったりした雰囲気のカンタービレ満載の音楽で、狐の場面など美しいことこの上ないが、しかし単調なこともこの上ない。あたかも組曲のように一つずつナンバー(?)が完奏するという構成が採られ、場面移行の音楽も皆無なので、いっそう起伏に乏しい印象になる。フィリップ・グラスを癒し系トーンに換えたという感じといえようか。
 だが、そのレガートなオーケストラに乗った日本語歌詞の表情やリズムはむしろリズミカルで明晰であり、この点に関しては日本人オペラ作曲家たちよりもよほど優れたセンスを示している。

 弦楽5部にピアノとハープを加えた8人編成のアンサンブルの音色は流麗。
 歌手陣では、王子さま役の釜洞祐子が出ずっぱりで奮闘。狐役の青山恵子もよかった。

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