2020-04

6・26(水)ヤクブ・フルシャ指揮東京都交響楽団

   サントリーホール  7時

 ショパンの「ピアノ協奏曲第2番」にソリストとして協演したヤン・リシエツキは、カナダ生まれの未だ18歳、長身白皙の少年だ。
 しかし、その演奏の瑞々しい表情、爽やかな音色、明快な構築性をもった音楽づくりは、全く素晴らしい。指揮者と合わせながらも伸び伸びとした自発性をみなぎらせるところなど、ただものではない才能を感じさせる。

 アンコールに演奏したショパンの「エチュード 作品25―12」では、ソロらしい自由さを持ちつつ、大波のような音型を繰り返すたびに次第に変化させながら追い上げて行くという精妙な設計をも聴かせてくれた。今の彼の全貌をつかむにはこの2曲だけでは材料不足ではあるものの、少なくともこの率直な息吹をあふれさせた演奏には好感が持てる。

 プログラムの第2部は、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」。
 これまでの客演が悉く快演だったフルシャ(都響プリンシパル・ゲスト・コンダクター)の指揮だけに、満腔の期待を以って聴きに行ったのだが、・・・・ちょっとその期待が大きすぎたか?
 全曲の頂点を後半の「嵐」の部分に置き、最初の劇的な個所である「日の出」や、中ほどのクライマックスたる「頂上での感動」を抑制気味に演奏するなど、設計に気を配っていたが、もともとスペクタクル性が売りものの曲ゆえ、もう少しハッタリを利かせた手法の方がいいのではないかという気もする。

 いずれにせよ前半部分では、さまざまな描写的モティーフがそれほど際立たず、標題音楽的な性格があまり出ていなかったように感じられる。演奏が本当に面白くなったのは、「頂上」で「陽が翳り」、コントラバス群が不穏な唸りを響かせはじめるあたりからだった。

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