2008-05

3・29(土)地方都市オーケストラフェスティバル第3日
秋山和慶指揮広島交響楽団

 すみだトリフォニーホール

 昨日(第2日)の大山平一郎指揮大阪シンフォニカー交響楽団と、今日のマチネーの飯森範親指揮山形交響楽団は、いずれも別の会合とかち合ったため、残念ながら聞きのがした。
 もっとも、後者のブルックナーの「第4交響曲」は、すでに昨年1月、山形テルサのホールで聴いていた(ライヴCDも出ている。オクタヴィア・レコード OVCX−00037)。夕方、楽屋で飯森氏に会ったら、「山形の時の演奏とは水準がもう全然違ってますよ。だめですよ聴かなきゃ」と威張られてしまった。

 で、今日聴けたのは夜の公演、秋山和慶指揮広島響の演奏会。
 グリーグの「抒情組曲」、シンディングの「ヴァイオリン協奏曲第1番」(日本初演とのこと)、スウェンセンの「交響曲第2番」と、ノルウェーの作曲家ばかりを集めた意欲的なプログラムだった。が、さすがに渋さは覆いがたく、お客さんの入りも多くなかったのは痛恨の極み。しかし滅多にナマでは聴けない曲目である。貴重な一夜であった。

 広島響の演奏は、広島の厚生年金会館やアステール・プラザなどでこれまでにも何度か聴いたことはあるが、大きな空間を備えて音響も良いトリフォニーホールで聴くと、さすがにスケールの大きさを発揮する。オーケストラの進境は目覚しい。秋山の指揮が昔とは異なり、明晰さよりはマッスの威力を求めているようなので、音響が飽和状態になる傾向がなくもない。しかし、アンコールで演奏されたグリーグの「過ぎし春」は、見事な透明感にあふれた叙情だった。
 
 さらなる収穫は、ヘンニング・クラッゲルードというノルウェーの若いヴァイオリニスト。清澄な音色と、知的に制御されながらも瑞々しく伸びやかな音楽性で、われわれを魅了した。彼も素晴らしいヴァイオリニストだ。シンディングの協奏曲があれほど美しく爽やかに感じられたのは、ひとえに彼の演奏のゆえである。

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