2020-04

6・20(木)チョン・ミョンフン指揮NHK交響楽団

   サントリーホール  7時

 N響定期のプログラミングも、一頃はかなり多彩にレパートリーを拡大しはじめたこともあったが、来シーズンの定期の曲目を見ると、完全にスタンダード・プロ・・・・名曲パレードに戻ってしまっている。
 聴衆に保守的な嗜好の高齢者が多いと、やはりこうせざるを得ないのか。ふだん、他のオーケストラの演奏会には全く足を運ばず、「一番上手い」N響の定期にだけ入っておき、そこで「いい曲」を聴くことだけを楽しみにしている年輩のお客さんも多いという話は知っている。それはそれでいいかもしれないが、若い人たちは一体どう思っているのだろうか?
 
 それはともかく、今日はBプロの2日目。チョ・ソンジンをソリストにしてのモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」と、後半にマーラーの「交響曲第5番」。

 韓国出身のピアニスト、チョ・ソンジンはまだ19歳、4年前の浜松国際ピアノ・コンクールに最年少優勝を果たし、日本にはおなじみの存在だろう。今日のモーツァルトは、わずかにカデンツァの部分のみリズムに変化を持たせて自由さを見せたものの、総じて著しく清楚端整な演奏で、あるいは大先輩のマエストロ、チョン・ミョンフンに遠慮したのか(24日のリサイタルでなら最近の彼の本領が判るだろう)。
 そのチョン指揮するオケの方は、いかにもN響らしく厚みのある整然たる音で、確かに立派ではあるが、この曲の本来の晴朗さと躍動感に足りぬ向きがある。

 後半のマーラーも、第1楽章は冒頭のトランペットの珍しい不調に足を引っ張られたか、オーケストラ全体が生気に乏しい演奏となっていて、どうなることかと思ったが、その後は徐々に調子を取り戻して行った。
 ただ、厚みと力感と巨大感こそあるものの、全体に何かルーティン的な雰囲気が拭い切れない。「腕前の良さ」だけで押し切った演奏・・・・とでもいうところ。今日はTV・FMの中継がないので、気が抜けたか? 

 しかしこれだけは見事だったのは、第4楽章の「アダージェット」におけるN響の弦楽器群の響きであった。その空間的な拡がり。音と音との間にある豊かな空間に、無限に拡がる夢幻的な美しさ。コンサートマスターは篠崎史紀。
    音楽の友8月号 演奏会評
 

コメント

水曜日はトランペットの破たんも少しだけでしたが、やはりなにか燃焼不足でした。N響の定期にいくと、熱く訴えるなにかがいつも足りないような気がします。

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