2020-04

6・17(月)大野和士指揮東京都交響楽団 「戦争レクイエム」GP

    東京文化会館大ホール 

 本番は明日夜だが、大阪行きのため聴けないので、ゲネプロ(一部公開)を取材。

 協演は、合唱に晋友会合唱団、東京少年少女合唱隊。声楽ソリストには、作曲者ブリテンが世界初演(1962年)の際、第2次世界大戦で戦った英・独・ソの歌手の参加を企画したことに因んだのであろう、今回は中国出身のリー・シューイン、韓国出身のオリヴァー・クック、日本の福島明也を配するという機微に富んだ布陣で、平和を祈念する趣旨を盛り込んでいる。

 大管弦楽と大編成の声楽陣で、反響版をいつもより舞台奥に押し込み(そのため両袖の壁と天井とにそれぞれ数メートルの隙間が生じたようだが)、舞台上には演奏者たちがぎっしりと詰まる。リハーサルではあるものの、いい音だし、いい演奏だ。明日1回だけの演奏ではもったいないような気がする。

 耳を傾けているうちに、この同じホールで、48年前――1965年2月に、D・ウィルコックス指揮の読売日響(ソロは伊藤京子、中村健、立川清登)により行われた日本初演を聴いたことを思い出した。正直なところ、あの頃はこの曲の真価がよく理解できなかった。今では少しはマシになっているだろうと自分では思うのだが・・・・。
 今年はブリテン生誕100年記念として、9月にも尾高=札響が札幌でこの曲を取り上げることになっている。それも聴きに行きたいものだ。

 大野和士は、2015年に、東京都響の音楽監督に就任することが決まっている。14日(金)にホテルオークラで行われた記者会見の席上、大野は「レパートリーの拡大による活動の活性化」を基本方針の一つに挙げ、「広角打法」という喩えをも使って、力強い抱負を述べていた。定期も年6回程度は振るというから、本格的な力の入れようだろう。ザグレブ・フィル音楽監督時代にクロアチアで戦火による惨状を目の当り見た体験を「3・11」と重ね合わせ、「傷ついた祖国のために自己の力を捧げたいと考えた」とも述べており、これらも日本での活動を重視する一因となったようである。

 同じ席上でコンサートマスターの矢部達哉も、世界に活躍している大野が「帰って来て」音楽監督に就任することに喜びを表明、「放蕩児の帰郷」という洒落た表現でそれを表わした――ただしこの蕩児は無一文になって帰って来たのではなく、「大金持」になって帰還した、と注釈がついたのはもちろんである。都響は、近年の演奏の好調ぶりとともに、すこぶる意気軒昂のようである。

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