2020-05

6・14(金)アレクサンドル・ラザレフ指揮日本フィルのラフマニノフ

   サントリーホール  7時

 ラザレフと日本フィルの「ラフマニノフ・ツィクルス」も、今回の定期で最終回を迎えた。

 思えばラザレフが、あのつまらない(と思われていた)「第1交響曲」を、あんなにも劇的で多彩な表現の演奏で聴かせ、われわれの度肝を抜いたのが、このツィクルスの第1回(一昨年11月)だった。
 私もこのツィクルスを全部聴いてきたが、すべて豪演、爆演の連続であった。ラザレフの指揮は、まさに大軍を叱咤統率して猛攻に駆り立てる勇将の采配といった雰囲気であり、この人は本当に、演奏者と作品とを燃え立たせる才能を持った指揮者なのだ、という感慨を強くしたものである。そして、彼の指揮のもと、一時の不調を見事に脱して今や情熱的な演奏を続けるようになった日本フィルの変貌にも、目を見張ったものであった。

 今日も、演奏は充実していた。日本のオーケストラがこれほど強靭なリズムを利かせた例は、決して多くはないだろう。
 初期の作品「カプリッチョ・ボヘミアン」(作品12)は少し騒々しい演奏だったが、濃厚で野性的なロシア魂の発露をよく再現しており、その熱気の凄まじさの方を賞賛しよう。「パガニーニの主題による狂詩曲」(作品43)では、河村尚子のスケールの大きな、たっぷりした風格と抒情美のピアノ・ソロが加わり、堂々たる演奏となった。
 最後の「交響的舞曲」(作品45)でも、濃密な響きの剛直なダイナミズムが、圧倒的な迫力をつくり出す。ツィクルスの締め括りにふさわしい、立派な演奏と申し上げよう。

 終演後、ラザレフはアフタートークに現われ、10月に指揮するスクリャービンについて一席、その魅力を語った。話し方も熱っぽくて熱心だから、それじゃ聴いてみるか、と思ったお客さんも多かったのでは?

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