2020-04

6・13(木)ボロメーオ・ストリング・クァルテットのベートーヴェン

   サントリーホール ブルーローズ(小ホール)  7時

 6月1日から16日までサントリーホールのブルーローズ(小ホール)で開催されている「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」シリーズ。
 その企画の核ともいうべきボロメーオ・ストリング・クァルテットによるベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲連続演奏会――これは5回シリーズで、今日は第4回にあたる。

 「大フーガ 作品133」、「第16番 作品135」、「第13番 作品130」というプログラムだ。
 「大フーガ」が当初は「第13番」のフィナーレに当る曲だったことや、「第16番」がベートーヴェンの最後の弦楽四重奏曲であること、「第13番」のために新しく作曲された楽章がベートーヴェンの最後の作品になったことなどを関連させた、これはなかなか面白いプログラムである。

 ボロメーオ・ストリング・クァルテットは、ニューイングランド音楽院のレジデンス団体で、ニコラス・キッチン(第1ヴァイオリン)、クリストファー・タン(第2ヴァイオリン)、元渕舞(ヴィオラ)、イーサン・キム(チェロ)というメンバー構成。
 譜面をMacBookに取り込み、それを見ながら演奏する(なるほどアイディアですね)という話は聞いていたが、もちろん彼らも、それを売り物にしようなどとは考えていないだろう。

 演奏は瑞々しく、ベートーヴェンのあの「後期の弦楽四重奏曲」という恐るべき世界を、あくまで爽快に描き出す。それは彼らの若さゆえの気魄だろう。
 「133」の新しいフィナーレや、「135」の第2・4楽章を、ベートーヴェン最晩年のアイロニカルな音楽として再現するか、あるいは諦観を含んだ快活な笑いとして描き出すか、それらは演奏者の人生体験によって千差万別の様相を呈して来る。
 ボロメーオはもちろん真摯に取り組んでいたが、しかしたとえば「135」第4楽章中ほど、「Muss es Sein?」のモティーフが不気味に再現する個所のニュアンスなど、まだちょっと手に余るようなところがあるのでは? 

 今回はこの日しか聴けなかったが、本当は初期の6曲の日(6月2日)を聴きに行きたかった。

 なお今回も「ブルーローズ」は、昨年と同様、ステージを入口正面に移し、それを半分囲む形で椅子を並べる会場を設置した。客席の両翼はかなり拡がる形になるけれど、どの席もステージに近くなって、演奏者と聴衆との間にインティメートな雰囲気が生まれる。私はこの席の配置が非常に好きだ。

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