2020-04

6・8(土)小山実稚恵の世界~ピアノでつづるロマンの旅

   BUNKAMURAオーチャードホール  3時

 オーチャードホールでの小山実稚恵のリサイタル。年2回ずつ、12年間にわたるシリーズの第15回は、「夢想と情熱」。
 ステージには大きな赤い花が飾られ、「炎」と「赤」をイメージ・モティーフに「夢想と情熱」を表わすというわけ。

 第1部はシューマンの「トッカータ ハ長調」に始まり、ブラームスの「パガニーニの主題による変奏曲」の第2集、バッハの「シャコンヌ」(ブゾー二編)。
 第2部はリスト・プロだ。彼の編曲によるベルリオーズの「幻想交響曲」第4楽章と第5楽章及びワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」、そして自作の「ダンテを読んで」が演奏された。次回にはベートーヴェンの「田園」全曲をやるというし、いまや完全に「リスト状態」か? 

 きりりと引き締まった激しい意志が、透明で澄んだ音色のしなやかな優しさと結びついている点で、わが国の女性ピアニストの中でも小山実稚恵の右に出る人はいないだろう。前半の3曲と、最後の「ダンテを読んで」では、それが充分に発揮されていた。ブラームスから「シャコンヌ」の重厚で暗い音色に一転する呼吸の鮮やかさなど、さすがのものがある。

 ただ、「幻想交響曲」のような編曲ものとなると――ベルリオーズの曲想とリストのピアノの手法に共通する一種の傍若無人な野性味といったものが、もう少しあからさまに表現されてもいいのではないか、という気もする。彼女の育ちの良さが、それを妨げているのだろうか? ダイナミックではあるが、どこか整然としているのである。

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