2020-04

6・5(水)パリ・オペラ座ライブビューイング ヴェルディ:「ファルスタッフ」

    ブロードメディア月島試写室  5時

 こちらはMETならぬ、パリ・オペラ座の上演ライヴ上映のシリーズ。
 ブロードメディア・スタジオの配給により、今後映画館で上映されるのは、2012~13年のシーズンにおける上演演目から、オペラ5作品、バレエ3作品とのことである。今日は記者向けの試写会だ。

 これは、去る3月12日、バスティーユで上演されたヴェルディの「ファルスタッフ」で、ダニエル・オーレンの指揮、ドミニク・ピトワゼの演出。アンブロージョ・マエストリ(ファルスタッフ)、アルトゥール・ルチンスキ(フォード)、スヴェトラ・ヴァシリエヴァ(アリーチェ)、マリー=ニコル・ルミュー(クイックリー夫人)、ガエル・アルケス(メグ)、エレーナ・ツァラゴワ(ナンネッタ)らが出演している。

 演出はごくオーソドックスでストレートだが、演技が非常に微細だし、主要歌手陣も――フェントン役のパオロ・ファナーレがダイコンなのを除けば――演技も歌もみんなしっかりしており、特に女声陣は美女揃いということもあって、観ていてすこぶる楽しい。第3幕の、ファルスタッフがコテンパンに苛められるくだりの舞台の動きは少々生ぬるい感じもあったが、第1幕と第2幕は動きも闊達で、音楽の細かい躍動との快い一致を示していた。
 これは音楽面でも同様である。オーレンは、第3幕ではテンポの間延びも含めて、やや勢いを失ったような印象もあったが、第2幕までは言葉と音楽のバランスを実に見事に構築していた。

 それにしても、この「ファルスタッフ」というオペラ、イタリア語がそのまま音楽となり、言葉と音楽とが最高の意味で合致した、本当に稀有な作品ではなかろうか。
 こういう作品は、無神経な指揮者が振るとどうしようもなく散漫な印象になってしまうものだが、巧い指揮者の手にかかれば、それが充分生きて来る。たとえばトスカニーニの指揮を聴くと、ヴェルディがどんなに言葉と音楽を細心の注意を払って精妙に組み合わせているかが、ありありと判る。いや「ファルスタッフ」だけではない、「オテロ」も「リゴレット」も「椿姫」も、トスカニーニが指揮すると、どれも言葉が素晴らしく生きているのが判る。作品を生かすも殺すも、指揮者次第である。

 上映時間は、短い休憩1回を含め、2時間45分ほど。歌手たち何人かへのインタビューも織り込まれているが、進行役が喋りすぎるきらいがなくもない。

コメント

トスカニーニと比較はできないが、このダニエル・オーレンの指揮というのはどう評価されますか。

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