2019-08

5・16(木)東京クヮルテットお別れ日本ツァー

    東京オペラシティコンサートホール  7時

 44年の歴史に終止符を打つことになった東京クヮルテット。もうそんなに時が経ってしまったかと、うたた感あり。結成の翌年(1970年)のミュンヘン国際コンクールにおいて、本選を待たずに優勝を決定させてしまったという、あの4人の日本人奏者の劇的な登場が、ほんの昨日のことのような気がする。
 私も1973年にFM東京の「TDKオリジナルコンサート」で彼らの東京での演奏を放送したことがある(CD化された)が、その強靭な表現、気魄と勢い、集中性など、当時としては「日本人離れ」した演奏に、驚き、感心したものであった。

 この四重奏団に今日残っている日本人メンバーは、ヴィオラの磯村和英と第2ヴァイオリンの池田菊衛のみだ。しかも池田は1974年に参加した「2代目」であり、今や創設以来の在籍奏者はたった1人、磯村だけということになる。
 現在の第1ヴァイオリンはカナダ出身のマーティン・ビーヴァー(4代目)、チェロは英国出身のクライヴ・グリーンスミス(2代目)である。

 日本人奏者がだんだん抜けて行き、あまり「東京」というイメージでもなくなってから、すでにかなり年月が経っていた。
 別の面から見れば、彼らのあとを継いで「東京クヮルテット」の名を守る日本人奏者は――つまり、弦楽四重奏団の奏者として生涯を捧げ、しかも世界に雄飛するだけの実力を備えた日本人奏者は――結局1人もいなかったのだ、とため息をつきたくなるような、甚だ寂しい状況になってしまっていることも事実であろう。

 今夜のプログラムは、ハイドンの「第81番ト長調作品77-1」、コダーイの「第2番」、ベートーヴェンの「第14番作品131」というもので、これにアンコールとしてモーツァルトの「ホフマイスター」(K.499)からの「メヌエット」と、 ハイドンの「騎士」(第74番)のフィナーレが追加された。
 いずれも成熟、円熟の美しい演奏である。ただし「131」は、このホールの、特に2階席正面で聴くと、作品の性格に反して、美しくて柔らかすぎる印象になってしまったが、致し方なかろう。この曲だけはいずみホールやフィリアホールなど、中規模以下の広さの会場における公演を聴きたかった気もする。

 終演後は長蛇の列のサイン会、そのあと2階のホワイエでメンバーを囲むレセプションが開かれ、ホールが閉じられたのは11時頃になった。

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