2019-05

5・10(金)成田達輝ヴァイオリン・リサイタル

  トッパンホール  7時

 ロン=ティボー国際コンクール2位(10年)、エリーザベト国際コンクール2位(12年)入賞のキャリアを持つ注目の若手、成田達輝(21歳、パリ在住)のリサイタル。

 プログラムは、ベートーヴェンの「ソナタ第8番」、フォーレの「ソナタ第2番」、シマノフスキの「アレトゥーサの泉」、フランクの「ソナタ」。アンコールはサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」、ドビュッシーの「美しき夕べ」、パガニーニの「奇想曲第1番」。
 最後の1曲を除き、協演がパリ音楽院在学中(?)のピアニスト、テオ・フシュヌレ(19歳)。

 使用楽器ヴィヨームの艶やかな音色も冴えた成田は、元気溌剌、意気天を衝く闊達な演奏だ。
 エネルギー感と美音にあふれた爽快なベートーヴェン、同じく美音としなやかさでいい味を出していたシマノフスキ。最後のフランクでは音色を一変させ、やや渋い翳りを滲ませながらも極めてスケールの大きな世界をつくる。これらに対しフォーレは、どうも元気が良すぎたのではないか? 
 サン=サーンスが華やかさと艶やかさがあって良かった――このあたりのレパートリーに、今の彼の最良のものがあるような気もするのだが、速断は控えたい。

 元気がいいのはピアニストも同様で、とにかく弾くこと弾くこと。若さを一杯に噴出させた演奏それ自体は大変結構なことだが、ピアノの蓋は、もう少し閉めて演奏した方がいいのではないか? あまりに大きな音なので、ベートーヴェンとフランクでは、ヴァイオリンが聞こえなくなることさえあった。
 もっとも、高音域に昇ってフォルティシモで歌った時の成田のヴァイオリンは、如何にピアノが轟いていようと、楽々とそれを超えて伸びやかに響くのだから、何とも面白いものである。
 2人合せても40歳という若手の熱演は、たとえ未完成なところはあっても、微笑ましい。

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