2008-05

3・18(火)旅行日記第4日
シモーネ・ヤング指揮「ドン・ジョヴァンニ」

  ハンブルク州立歌劇場

 前夜から急激に気温が下りはじめ、この日はついに雪となった。
 第1チクルスはまだ1日を残しているけれども、都合で早朝ザルツブルクを発ち、フランクフルト乗り継ぎでハンブルクへ向かう。
 実は当初の計画では、前日にパリに回り、バスティーユ・オペラで「パルジファル」の新演出プロダクション(ヘンヒェン指揮、ワリコフスキ演出)を観るスケジュールだったのだが、そこまで「転戦」しては体力が保つまいと反省し、諦めた次第。

 昼頃に着いたハンブルクは、快晴で強風。空気は冷たい。
 夜の州立歌劇場でまず観たオペラは、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」。
 演出はペット・ハルメンという人で、1996年9月にプレミエされたプロダクションである。それほど捻ったところはないが、場面を大きなホテルに設定し、そこに滞在する客たちの間で繰り広げられるドラマとしているところが特徴だ。
 ドン・ジョヴァンニは大きな白いマフラーを気障っぽく着用した紳士(バレンボイムが時々こんな格好をしていたっけ)で、レポレッロはお付きのボーイというところ。マゼットとツェルリーナは、地元の住民らしい。ラストシーンではそれぞれが思い出を残しつつ、スーツケースを持って発って行くことになるが、そこへ地獄に落ちたはずのドン・ジョヴァンニが冒頭場面と同じ姿で闖入して来て、物語が最初に戻って幕、という具合になっている。このテは時々やられるパターンだ。もっともここは、「そしてだれもいなくなった」ということで終ったとしても、白々とした空虚感が残ってよかったのではないかという気もする。

 指揮は、この劇場の支配人兼音楽総監督シモーネ・ヤング。
 ルーティン公演らしく、雑なところも多々あったが、音楽の勢いがよく、あれこれいじりまわしていないから、聴いていて気が楽だ。つまり、畸形的なモーツァルトにはならずに済んでいる、ということである。
 ジョヴァンニを歌ったのはウィリアム・シメル。「シャンパンの歌」など、もっと指揮者とオーケストラに合わせて歌ってくれないかなと思うほど粗いが、もしかしたらぶっつけ本番か。その他の歌手たちはあまり知らない名前ばかりだが、みんな確実に歌っていた。総じて、よくまとまった舞台であった。

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