2008-05

3・8(土)ダン・エッティンガー指揮東京フィル定期

  サントリーホール

 「どろぼうかささぎ」が夕方6時40分に終演となったあと、7時から赤坂のサントリーホールで、同じ東京フィルが定期公演を開催。何しろこのオーケストラの正規楽員総数は160名だから、同時に3ヶ所ほどに分かれて演奏会を開くくらい朝めし前なのは周知の通りだ。
 われわれから見れば、演奏のレベルの点で、そういう体制が必ずしも良い結果を生んでいないのではないかといつも思うのだが、オーケストラ側としてもひとたび新星日響と合併してしまった以上、今となってはどうにもならないのだろう。が、このケースは非常に複雑な問題をはらんでいるため、ここではこれ以上触れるのは止めておく。

 さて、こちらも当然、7時の開演には間に合わない。したがって、休憩後のブラームスの「第4交響曲」だけを聴かせてもらった。
 師バレンボイム譲りで粘りのある、ややロマンティックな傾向の表現を得意とするエッティンガーの指揮は、今日の音楽界にあってはむしろ貴重な存在であろう。今日のブラームスでも重厚で情感の濃い演奏を聴かせてくれた。このようなスタイルも健在であってこそ、クラシック音楽の世界は多様多彩で面白くなるのである。東京フィルの細部の響きに相変わらず密度の薄さが露呈するのが惜しいが、それでもやはりエッティンガーのヒューマンな音楽づくりというべきものが演奏全体にあふれていたように感じられたのであった。

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