2020-04

12・13(木)METライブビューイング トーマス・アデス:「テンペスト」

    東劇  7時

 英国の現代作曲家トーマス・アデスのオペラがMETで上演されるのは、これが初めてとのこと。
 2004年にロイヤル・オペラで初演された「テンペスト」は、もちろん、あのシェクスピアの戯曲に基づく作品である。演奏時間は正味2時間8分、極めて「解りやすい」音楽で、劇的な起伏や叙情味にも事欠かない。ただし、大詰部分は、多少冗長な感がなくもない。

 しかし、この上演を親しみやすいものにしているのは、やはりロベール・ルパージュの幻想的で洗練された演出と、その意を受けたジャズミーン・カトゥダルの気の利いた舞台美術だろう。
 映像で見ても、この舞台は極めて美しい。嵐の場面といい、第1幕の最後でフェルディナンドとミランダが手を取り合って去って行く彼方の背景が海の光景に変わって行くあたりといい、妖精アリエルが乗って大見得を切る派手な吊り装置といい、どれも実に洒落ているのである。
 プロスペローの魔術の世界として、昔のミラノ・スカラ座の客席まで出て来る(プロスペローはミラノの大公だった)が、こういう光景の移り変わりの手際の良さも、さすがはMETというべきか。

 このプロダクションは、ケベック・オペラおよびウィーン国立歌劇場との共同制作とのことだが、それらの歌劇場では、ここまで綺麗に幻想的に舞台が創れるのかしらん?

 指揮は、作曲者自身。歌手陣の中では、プロスペローのサイモン・キーンリイサイド、ミランダのイザベル・レナード(美人だ)、アリエルのオードリー・ルーナ(凄い最高音!)、カリバンのアラン・オークらが目立つ。フェルディナンドのアレック・シュレイダーも悪くない。キーンリイサイドは別として、概して未だそれほど馴染みの無い歌手が多いが、しかしみんな上手い。

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