2020-04

12・8(土)トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 初日

    みなとみらいホール  7時30分

 ソヒエフ、楽しみにしていた。
 今回は8~14日で5回の公演。最終日の京都を除き、ロシアもの・フランスものそれぞれの特集プロだ。今夜はロシアの方で、バラキレフ~リャブノフの「イスラメイ」、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」。

 3年前の来日の際に聴いた印象とは、今回はかなり違う。
 さすがロシアものとなると、ソヒエフも「やりたいこと」を存分にやるらしい。もっとも、このオケのシェフに就任して既に4シーズン目、呼吸が合って来たので、それだけ思い切ったことができるようになったのかもしれない。

 とにかく、ロシアものでは、ソヒエフはかなり濃厚で粘っこい音楽をつくる。「シェエラザード」など最たるもので、ホールを揺るがせる物々しい「シャリアール王の主題」による開始から、曲のあちこちでテンポを自在に制御して大きな矯めをつくったり、木管のソロを気取った感じで吹かせたり(奏者たちが実に楽しそうに洒落た「間」を取って吹く)。
 フィナーレでは、第3楽章までの遅めのテンポを一気に解放、かのフェドセーエフもかくやの猛速で煽りに煽り、ついに冒頭の「シャリアール王の主題」を轟然と再現させるあたりの演出の、巧いのなんの。
 美人コンサートミストレス(ジュヌヴィエーヴ・ロレンソウという人がそれか?)のソロもなかなか妖艶だし、弦楽器群もやや硬質な張りと厚みのある音で、強大で迫力あるトレモロを聴かせる。オケも巧いし、ソヒエフも曲者ぶりを発揮、ということで、これは実に面白い「シェエラザード」であった。

 「イスラメイ」と「火の鳥」はそれほど大芝居調ではなかったが、前者では音色が妖麗、後者ではストラヴィンスキーの「ロシアの作曲家」という側面――これはゲルギエフがお家芸にしているコンセプトだが――を浮彫りにしたアプローチ。いずれも面白かった。

 いい演奏だったのに、客の入りが今一つだったのは残念。だが客席は結構盛り上がっていたので、それに気を好くしたのか、ソヒエフとオーケストラは、ドヴォルジャークの「スラヴ舞曲第1番」と、ビゼーの「カルメン」前奏曲(前半のみ)をアンコールとして演奏した。
 どちらも、3年前にもやったものだ(他にないのかしら?)。威勢のよさはあの時と同じ。ただ前者は、3年前には金管が強すぎ、最初の主題など旋律線が全く聞こえなかったが、今回は弦がはっきりと浮き出ていて、主題としての形も明確になっていた。

 ソヒエフにはソロ・カーテンコールも1回。終演は9時40分頃。

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