2020-04

12・7(金)日本舞踊×オーケストラ

   東京文化会館大ホール  7時

 プログラムは、ショパン~ダグラスの「レ・シルフィード」、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」(抜粋)、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ラヴェルの「ボレロ」。
 演出は花柳壽輔、オーケストラは大井剛史指揮の東京フィル。

 音楽と演奏が泰西もので、舞台上が日本舞踊。この組み合わせは極めて巧く行っており、企画としても大成功、意義深いものだ。日本舞踊の分野には全く暗い私にも、大いに愉しめるものであった。主催制作は東京文化会館。
 客席には、綺麗なおキモノを召した綺麗なオバサマたちもぞろぞろ。ふつうのクラシックの演奏会にはちょっと見られない、華やいだ雰囲気だ。

 藤蔭静枝の振付による「レ・シルフィード」は、吾妻徳彌ほか白衣の女性20人の群舞が美しく、ちょっと「白鳥の湖」的な雰囲気もあったが、30分間の舞踊にしては動きがそれほど多様でないため、少しもたれる感もあるだろう。
 いっぽう、坂東勝友の振付による「ロメオ」は、花柳典幸と尾上紫の純日本風の姿が決まっていて、プロコフィエフの音楽との不思議な落差と調和が妙味を出す。
 花柳壽輔と井上八千代の振付と出演による「牧神」は、オリジナルを和風に変えてのもの。渋いが、情感があって好い。

 傑作だったのは、五條珠實振付による「ペトルーシュカ」で、これも純日本風の衣装と容姿だが、特に花柳寿太一郎が演じる「ムーア人」のコミカルな味と、花柳輔蔵が演じる「人形遣い」の怪奇な扮装と舞踊の迫力に、洋風バレエにはない面白さを感じさせた。
 観客を盛大に沸かせたのはやはり花柳壽輔・花柳輔太朗・野村萬斎の振付による「ボレロ」である。これは台上で舞う野村萬斎よりもむしろ、40人もの和装の男たちの群舞の見事な動きに魅了される。この日本舞踊の美しさと力強さは、世界に誇れるものだろう。

 これでオーケストラが、もっと引き締まってメリハリもあって、技術的にもちゃんと演奏してくれていたら・・・・。
 この東フィルというオケ、定期のステージではあれほど立派な演奏を聴かせるのに、ピットに入るとどうしてああも頼りない薄っぺらな演奏になるんだか。

     ⇒音楽の友2月号「ロンド」

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