2020-04

12・2(日)シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団

    NHKホール   3時

 ストラヴィンスキーのオペラ「夜鳴きうぐいす(ラ・ロッシニョル)」と、ラヴェルのオペラ「子供と魔法」の組み合わせ。いかにもデュトワらしい、興味深く魅惑的なプログラムである。
 最近のN響の定期には意欲的な曲目編成が見られるようになったが、――「保守的な嗜好」の傾向が強いと噂のある定期会員の反響は如何に? 今日など、ストラヴィンスキーのあとの拍手が随分薄くて、演奏者にはちょっと気の毒な感もあった。

 この2曲、いずれも演奏会形式。
 歌手陣は何人かが両曲をカケモチで、アンナ・クリスティが前者では「夜鳴きうぐいす」を、後者では「火」他を歌い、デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソンが各々「中国の皇帝」と「大時計&オス猫」、エドガラス・モントヴィダスが各々「漁師」と「ティーポット」他を歌うという具合。後者の「子供」は、エレーヌ・エブラールが歌った。
 日本人歌手も、天羽明惠(お姫様他)、青山貴(侍従)、村上公太(日本からの使者)他が出演。合唱は二期会合唱団。「子供と魔法」ではNHK東京児童合唱団が参加していた。

 こういうレパートリーを手がけると、さすがにデュトワはいい。N響の演奏にも、一種の艶やかさが生まれて来る。特にストラヴィンスキーでのしなやかな美しさには感心した。
 ただ、ラヴェルでは一番オーボエの高音域の音色が腑に落ちず、演奏の流れという点でも、デュトワなら更に流麗に仕上げられるはずだという気がしないでもないが・・・・。

 字幕には些か疑問がある。特に「子供と魔法」の方は、ただ椅子だ、火だ、壁紙だ、庭だ、傷の手当だと訳語を並べても、そこがどういう場面だかの説明がなくては、初めて聴く人たちには何が何だか、見当がつかないだろう。字幕は演出の一部だ。工夫を願いたい。

コメント

私は土曜日に行きました。確かに夜鳴きウグイスは演奏は良かったと思いますが、土曜日も拍手はすごく少なかったです。なぜなのかは良くはわかりませんが、一つには字幕に役どころが記されていなかったので、だれがどのような気持ちで唄っているのかがわかりにくかったことが原因としては推察されます。先生のご指摘のように、このような珍しいオペラの上演では字幕にまで気を使う必要があると思います。

字幕と言えば「子供と魔法」で、「ハラキリ ハヤカワ・セッシュー」と出てましたが、ここは「腹切り 早川雪洲」とすべきでなかったか。
早川雪洲は亡くなられて久しく若い人には何のことやら不明の筈。「Philharmony」の曲目解説で、近藤秀樹氏は、このような歌詞が出た時代背景にちゃんと言及して、日本初の世界映画スターの栄光に一言添えるべきだった。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/1538-478ad81f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年8月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」