2020-04

12・1(土)ユベール・スダーン指揮東京交響楽団

    横浜みなとみらいホール  2時

 「スダーンのブルックナー」は、やはり私にとって大きな魅力だ。
 「6番」はあまりナマで聴く機会のない曲だし――私はこの曲、非常に好きなのである――期待に胸膨らませて(というのも大袈裟だが)横浜へ出かけて行った。

 東京交響楽団がこのホールのアコースティックに未だ慣れていないのか、第1楽章の最初の方では、何かまとまりを欠くような響きでやきもきさせられたが、しかし、この楽章のコーダ近くになると、演奏は俄然大きく聳え立って来た。
 第2楽章では弦が素晴らしく、第3・第4楽章では要所に至るやオーケストラ全体が急激に力感を増す、そのあたりの演奏は壮烈を極める。あの「7番」「8番」における頃のスダーン=東響の凄さが、今日の後半には完全に蘇っていた、と言ってよかろう。

 明日のサントリーホールでの演奏の時には、慣れたホールだけに、おそらく冒頭から威力を発揮するのではなかろうかと思う。

 前半には、クリティアーネ・エルツェをソリストに、マーラーの「子供の不思議な角笛」から「ラインの伝説」など7曲が歌われた。
 エルツェを聴くのは実に久しぶりで――もしかしてザルツブルクでガーディナーがベートーヴェンの「レオノーレ」を指揮した時にマルツェリーネを歌っていたのを聴いて以来、十数年ぶりかもしれない――どんなに成長したかと、これも期待していたのだが、この日は何とも首を傾げざるを得ない出来だった。特に高音域になると声がふらふらで、聞くのも痛ましいくらいであった。こんなはずではあるまい。

 もっとも、2日ほど経ってからスダーンから聞いた話では、「彼女は時差ボケ、睡眠不足、最悪のコンディション。あの日は気の毒だった。翌日は素晴らしかったよ」とのことだった。まず一安心、といったところ。

   音楽の友2月号 演奏会評

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