2019-05

11・28(水)ダニエル・ハーディング指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

    サントリーホール  7時15分

 ハーディングの指揮ではあまり聴く機会のないロシアもので、チャイコフスキーの「交響曲第4番」と、ストラヴィンスキーの「春の祭典」。相当な重量感だ。
 そのプログラム人気ゆえか、あるいはハーディング人気ゆえか、今夜は客席もほぼ埋まっていたのは祝着である。

 「4番」は、一見ストレートな演奏のように聞こえるが、ハーディングの指揮は、細部にも神経を行き届かせたものだろう。第1楽章では比較的抑制されたテンポが採られていたが、チャイコフスキーがスコアに(序奏とコーダを除く)「モデラート(中庸に)」という指定を繰り返し書き込んでいることを思い起こし、なるほどと思う。ただし、総じて言えば、ハーディングならでは――というほどの演奏でもなかったようで。
 オケの方では、1番ファゴット(河村幹子)の表情豊かなソロを称賛したい。

 「春の祭典」でのハーディングは、流石に面白い。欧州の手兵オケとならもっと大胆不敵な解釈をするだろうと思われるが、それでも新日本フィルを存分に沸騰させ、ホールを大音響の坩堝に叩き込む。
 第2部序奏の【86】からのトランペット2本を超最弱音で吹かせ(スコアではp一つ)、「選ばれし生贄の踊り」の【149】以降の弱音リズムにちょっとディミヌエンドを加える(これは誰かもやっていた手だが)など、――そういう細かい演出も、それはそれでいい。
 しかしそれよりも、最大の良さはやはり、オーケストラに非常な活力を注入し、演奏に熱気を持たせていた点にあろう。新日本フィルも、特に第2部の途中以降、手応え充分な高い密度の演奏を聴かせてくれた。

コメント

海外の団体を避けて、聴きに行っています。はっきりいって、バブル期の盛りの値段に戻して欲しい。。
だからこそ、バブル期以降、日本のオケの実力が上がってきたのは、いいことです。

<<「春の祭典」でのハーディング>>がお目当て。全体に面白い。手兵なら、もっと大きい音が鳴るだろうに。とにかく、一聴の値の箇所多くて。よかったです。

「4番」は、前座に聞こえていて。すみません。

前半が、金管楽器の出る場面が少ない大曲だったら、<春祭>、もっと土着的だったろうに。ちっと、残念。

良かったよ。。。。。。。。。。。。。。。。

東条先生、こんばんは。
春の祭典での新日フィル、久しぶりに快演でした。ホルンも破綻しなかったし。前日の公開リハーサルを見させてもらいましたが、ハーディングは、この曲のリズムはみんな知っているからハーモニーを大切に演奏しよう、みたいな事をオーケストラに話していましたし、クライマックスも興奮しすぎないように、という注意を出していました。演奏しているほうが気持ちよくなっても、お客さんは興奮しない、と。
そして、本番はそのとおり、どちらかというとクールで抑制された中で熱気と緊張感を持続させて素晴らしい演奏だったと思います。
来期以降、この調子でハーディングとのよい関係を続けて世界でもトップクラスのオーケストラに成長して欲しいと思います。(ちょっといいすぎかな・・・笑)
蛇足ですが、チャイコフスキーは全然面白くなかったですね。抑制した表現をとりたい春の祭典の前にこの曲を持ってきたら、そうなるのは必然のような気がしながら聴いていました。選曲ミスですか・・・
(最初は両方とも派手派手にやるつもりだったとか・・・まさか・・・)

ロシアの手兵

4番は、全体として抑え気味。春祭にエネルギーを残していたように感じました。今回の演奏は、緻密さと密度の高さに傾注したものでした。細部の演奏では、指揮者のなかで、すでに示された手法を扱っていましたが、その精度や緻密さまた、全体の構成のなかでの効果的な活用としては、上手さを感じました。
春祭では、ひと工夫されつつ、なんともいえない粘着的な表現が印象的でした。特に、後半に向けどのように、もっていくのか、楽しみにしながら聴くことができ、緊張感のあったように思います。敢えていえば、迫力の点で力がほしい。美しさにも力が必要です。

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