2008-05

3・3(月)聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団
「ロ短調ミサ」

  東京オペラシティコンサートホール

 私はバッハ・マニアではなく、バッハにとりわけ詳しい聴き手でもないが、しかし2日間続けてバッハの宗教曲の大曲を聴くことができたのはうれしい。
 実はバッハの宗教曲の中で、私が一番好きなのはこの「ロ短調ミサ」なのである。そのことをたまたま隣り合わせになった加藤浩子さんに言ったら、「へェ」と意外な顔をされた。バッハの専門家からみればそうだろう。

 それにしても、ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏するバッハも、昔に比べれば随分音色が変わったものだ。何もこのオーケストラまでがノン・ヴィブラート奏法めいたものを取り入れなくても、とは思うが、今や猫も杓子もピリオド楽器スタイルという時代。もっともこれは慨嘆しているという意味ではない。私自身がバロックからハイドン、モーツァルトあたりまでは絶対ピリオド楽器オケで聴きたい、という好みだから、この日の演奏にもほぼ満足していた次第なのである。ただ一つ、このゲオルク・クリストフ・ビラーというトーマス・カントール殿の指揮にだけは、もう少し緊迫感を持ってもらいたいなと以前から思い続けているのだが・・・・。

 女声合唱のパートを少年合唱が受け持つこの有名な合唱団も、今回は、些か粗い。前回どこかで聴いた時も同じような印象があったから、これもやはり指揮者の責任ということになろう。練習よりは経験と伝統とで歌っているという雰囲気だ。ただ、どんなにガタピシしていても、曲が昂揚して最後の高貴な終止にいたった瞬間の和声の透明な均整の美しさは、すばらしい。これはもう伝統の強みゆえとしかいいようがない。
 

コメント

昨日マタイを聴きました

昨日名古屋でこのオケ・合唱団でマタイを聴きました。第一部はオケのノン・ヴィブラート奏法が旨く行っていないのか、響きの少ない無味乾燥な演奏でした。第二部になってやっとオケの響きが豊かになり、良くなりました。合唱団は私が聴いた限りではさほど粗さは感じられませんでした。歌手は良く歌っていました。特に福音史家役のベツォルトは最初から最後まで良く歌っていました。
 マタイには私には特別な想い出があります。30年以上も前ですが、ハンブルグ大学に留学している時、日曜日の朝ザンクト・ミヒャエリス教会の前を通ったら小さいドアが開いており、中に入ってみたら、天井からマタイが降ってきました。その響きの荘厳さ、美しさに圧倒されました。実はその当時存在した北ドイツ放送管弦楽団のリハーサルでした。オケが祭壇に向かって左のバルコニーに陣取り、演奏しておりました。ドイツ人のオッサンが私の顔を見るなり、反対側のバルコニーに上がれと言ってくれたので上がって見ると、多くの若い音楽学生たちが楽譜を広げて熱心に勉強していました。私も音楽学生に紛れてちゃっかりリハーサルを聴いていました。今から思えば演奏自体は一流ではなかったと思いますが、あの教会の響き・雰囲気がすばらしい音楽を体験させてくれたのでしょう。この15〜6年はヨーロッパで色々と音楽会には行っていますが、中々教会での本格的な宗教音楽には当たりません。わずかに数年前ロンドンのセント・マーチン・イン・ザ・フィールズ教会でバッハの短いマイフィカート集を聞いたぐらいです。先生は教会での宗教音楽会の情報源(ネットで)を何かご存知ないですか。

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