2020-02

11・6(火)ヘルベルト・ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団

   サントリーホール  7時

 1日の「英雄&ベト7」が絶賛を呼んでいたので、やはり聴きに行けばよかった、とほぞを噛んだが、まあ今夜の方は一緒にピョートル・アンデルシェフスキも聴けるし、と、とりあえずは思い直す。

 そのアンデルシェフスキが弾いたのは、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第17番」。彼の鋭利な音色と、温かい地方色を未だに少し残しているオーケストラの音色とが補完しあって、えもいわれぬ結晶のような美しさを聴かせてくれた。
 特に第2楽章での、ひたすら自分の世界にのめりこむかのごとき沈潜の演奏は、アンデルシェフスキの聴かせどころだろうし、第2楽章と第3楽章のそれぞれの性格の対比を、これだけ明確に際立たせたピアノも例が少ないのではなかろうか。

 全曲にわたり、控え目ながらも雄弁に音楽を紡いで行ったブロムシュテットとオーケストラも、見事なものだった。但し、そのあとにこのピアニストが独りで弾いたバッハの「サラバンド」(フランス組曲第5番」から)は、珠玉のように美しかったけれども、オケのコンサートにおけるソロのアンコールとしては、チト長すぎた。

 そして後半は、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」。
 これは驚異的な快演だ。バンベルク響(バイエルン州立フィルハーモニー)がこれだけ密度の濃い演奏をしたのを聴いたのは、何十年ぶりのような気がする。また、私がこれまでに聴いたブロムシュテットの指揮する交響曲の中でも、今回の「4番」は最も好かったものの一つに数えられる。
 この指揮者とオーケストラの組み合わせを聴いたのは、実は私は初めてだったのだが、この両者の相性は最高に良いのではないか?

 冒頭のホルンは、思いがけず割り切ったようなエネルギッシュな勢いを示し(私の好みからすれば、もっと森の奥深くから響いてくるような夢幻的でロマン的なイメージが欲しいところだが)、やがて爆発する最強奏での弦楽器は、激しい嵐のように渦巻く。このあたりからすでに、今日の演奏にはただならぬものがあふれている、という気を起こさせるに充分だ。 

 第2楽章終り近くから、演奏にはますます昂揚感が加わって来る。そして、第4楽章のコーダ――ブルックナーの音楽の「持って行き方」も本当に巧いな、と思わせる個所だが――全管弦楽がまさに最後のfff に爆発しようとする瞬間における類い稀な緊迫感を、今夜のブロムシュテットとバンベルク響は、見事に味わわせてくれたのであった。

 ホルンの1番奏者には、爆発的な拍手が贈られた。そしてブロムシュテットには、2回ものソロ・カーテンコールが贈られていた。

コメント

東条先生 こんにちは。私も実にすばらしい4番だったと思います。速めのテンポ野中にある、ルフト・パウゼとゲネラル・パウゼ。滅多にブルックナーを聞いても感動しないのですが、この日は久しぶりに気持ちよく帰宅しました。モーツァルトも弱音のすばらしさが際立った演奏でした。

命ある限り、治らないと言われた病のことに、気がアップダウンする中で、まともに聴きに行く気になれた最初の公演。いつ、確実に身体障害者になってしまうのかな。と思いつつ。仕事は続けられるけど。
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時間の止まる。ブルックナー作品、良かったです。
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本当に、ブロムシュテットの特集が多くなりました。 BBCで去る2週間前も月から金まで。特集しているから。オンデマンドで。。。。いろんな作品を聴けてよかったです。
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今度、どんなオーケストラと来日して、ブル9番を取り上げてくれるのでしょう。

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