2019-08

11・5(月)ライマンのオペラ「メデア」のリハーサル

   日生劇場  2時

 アリベルト・ライマンのオペラ「メデア」(2010年ウィーン国立歌劇場で初演)のリハーサルを観る。日本初演の初日も9日(金)に迫っており、いよいよ追い込みの段階である。

 これは、日生劇場開場50周年記念特別公演、二期会創立60周年記念公演、読売日本交響楽団創立50周年記念事業などと銘打たれた、すこぶる大がかりな企画だ。

 客席との仕切り板を取り外し、高めに固定されたオーケストラ・ピットには、大編成の弦楽器群が詰め込まれている。入りきれぬ金管楽器群は舞台上の上手5分の1ほどのスペースに配置され、木管楽器群は下手5分の1ほどのスペースに配置されている。
 残った中央部分――つまり舞台全体の5分の3くらい、ということになるか?――が、演技の行なわれる舞台というわけだ。

 オペラの上演としてはあまり見かけない光景だが、事前に学生オケを起用し、ありとあらゆる配置での演奏を試みて音響テストを行なった結果、このような形に落ち着いたのだという。
 装置(イタロ・グラッシ)は極めてシンプルなものなので、本番ではこの演技空間と舞台上のオーケストラとが、演出(飯塚励生)の手腕で、如何に視覚的にバランスよく保たれるか――が成功の鍵となるだろう。

 いずれにせよ、これから本番までの間に、字幕の文章を含め、またあれこれ手直しを加えながら纏められて行くだろう。現場が好きな私としては、こういうリハーサルに立ち会って、キャストやスタッフたちがプロダクションを練り上げて行く光景を見るのが、何より面白い。
 作曲者ライマンも、客席後方で「スコアを見ながら」立会っていた。すこぶる満足とのこと。

 指揮は、下野竜也。
 この大規模な現代オペラを見事に巧く纏め上げて行く手腕には舌を巻いた。ライマンの巨大なスコアが、実に鮮明な音となって蘇る。オーケストラも、その配置の関係から極度に生々しい音塊となって客席を襲って来るが、それが声楽を全く打ち消すことなく、適切な均衡を保って響くのにも感心した。下野は「ライマンの書き方がそうなっているから」と笑うけれども、指揮者の手腕によるところだって大きいだろうと思う。
 読響も大奮闘。この秋は大作ばかり連続して演奏しているが、まあ、よくやるものだ。わが国でいまいちばん大暴れしているオーケストラは、この読響だろう。

 そして、驚異的な歌い手たち! 今日のリハーサルで歌っていたのは10日出演の組で、大隅智佳子(メデア)、与那城敬(イヤソン)、清水華澄(ゴラ)、大野徹也(クレオン)、山下牧子(クレオサ)、彌勒忠史(使者――彼のみ全日)という顔ぶれだが、跳躍音程の多いこの作品を見事にマスターして、たいしたものだ(これに比べれば、「ルル」でさえ、まだしもなだらかな曲に聞こえる)。特にタイトルロールの大隅の、力のある歌唱には拍手を贈りたい。

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