2020-02

11・3(土)エリアフ・インバルと東京都交響楽団のマーラー「第4番」

   東京芸術劇場  2時

 先週日曜日の「第3番」が見事だったので、今日はその余勢を駆って――と思う一方、あまり期待を大きく持つと逆に・・・・などという不埒な心配をも秘めながら聴きに行ったのだが、どうしてどうして、あの「3番」に勝るとも劣らぬ見事な演奏を聴くことが出来たのはうれしい。

 インバルは、スコアの隅々まで神経を行き届かせつつ、ポルタメントの指定をも完璧に遵守し、やや速めのテンポで歯切れよく進めて行く。胸のすくような活力だ。それでいて、音楽に全く乾いたところがない。剛直なつくりではあるが、常に瑞々しくしなやかな音楽になっているのである。

 これはもちろん、今の都響の快調さによるところ大だろう。第3楽章や、特に第4楽章後半における弦楽器群(コンマスは矢部達哉)の響きの美しさは、特筆すべきものがある。オーボエとホルンをはじめ、管楽器のソロ陣をも称賛したい。
 第4楽章でソプラノ・ソロを受け持ったのは森麻季も、素直な美しさの歌唱で映えた。ここでの声とオーケストラとの対話は、出色の出来。

 前半には、河野克典のバリトン・ソロで、「子供の不思議な角笛」から6曲が歌われた。
 2階席正面で聴いたのだが、とかく声を打ち消しがちに咆哮することの多いオーケストラの音が、今日は極めて巧みなバランスを保持しつつ声を支えていたのに感心した。もっとも、3階で聴いていた知人によると、「4番」も含めての今日の声とオケとのバランスは、2階席での私の印象とはかなり違っていたとかいう話だが・・・・。

 インバル&都響のマーラー、ここまでは尻上がりに好調である。続いて来年1月の「第5番」へ、よろしく。

     ⇒音楽の友新年号 演奏会評

コメント

しなやかな演奏

3番に続き、4番も横浜で鑑賞しました。
3番の力の入った演奏から、4番はどのように展開していくのか、楽しみにした反面、5番との間に入った位置づけから、別の意味で力を抜いたものになるのではと想像していました。
 結果、かなり完成度の高い演奏でした。ソロはもちろんのこと、全体の構成、そして3楽章の聞かせどころなどは、しなやかさと艶のある演奏でした。2番もしっとりと感じる良演でしたが、4番もそれ以上に、情感を前面に出した演奏で、サクサクさと内面のコントラストが印象的でした。
 ただ、森さんとの掛け合い、横浜ではオフ的に聴こえてしまい、少し残念。以前、チョンさん指揮の4番のあの彼女に透き通った時と比較し、少し落ち着いた感がありました。情感さは、卓越したものになっていたかに思えました。

今回も同感です

今回も全く同感です。特に2楽章~3楽章が秀逸であったように感じました。3楽章の始め、素晴らしい音楽の途中で、目の前のおばさんが私語を始めたときは、流石にぶん殴ぐろうと手が出そうになりましたが・・・でも素晴らしい音楽でおばさんも黙り、幸せな気分になれました。テンポは早く自然なのに、(ラグランジュのいう)偉大な激しさを示したインバルの4番3楽章は、私個人としては、このマーラーチクルスの前半では、一番思い出に残る瞬間になりました。1月では、5番で、あの偉大なサントリーホールでの1987年の公演に迫ることができるのでしょうか?ノイネッカーのホルンで聴ければ、などなど思ってしまったり、1月に向けて期待はどんどん高まっています。それにしても、この70代後半の老人は、この1ヶ月半、日本で毎週のように熱い演奏を繰り広げて、それでもこのような熱い演奏を展開するとは、超人というほかありませんね。うちのおばあちゃんはこの年、痴呆症で病院で寝たっきりになっていたのに・・・・

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