2019-05

11・2(金)マウリツィオ・ポリーニ 「ポリーニ・パースペクティブ」第2日

    サントリーホール  7時

 最初に演奏されたのは、シュトックハウゼンの「ピアノ曲Ⅶ」と「ピアノ曲Ⅸ」。
 沈黙と静寂と、それを切り裂くような衝撃的な打音とが交錯する作品だ。ただならぬ緊張を強いられ、息をつめて全神経を集中しつつ聴き入る。
 これはもう、作品と演奏と受容との真剣勝負みたいなもの。最近のポリーニは立ち上がりが悪いなどという説など、気にしてはいられなくなる。

 そのあとには、ベートーヴェンのソナタ4曲が続く。第24番「テレーゼ」、第25番、第26番「告別」、第27番という具合だ。

 「25番」の第1楽章は、楽譜の指定はたしかに「プレスト」だが、あの演奏は、あまりに疾風のごとく速過ぎないか? しかも「アラ・テデスカ」の指示を無視し、あんなに音符のリズムを崩して、主題の形さえ定まらぬほどに、ラプソディックにひたすら押し流して行くのは、いかがなものだろうか? 

 だが休憩後の2曲では、かつての鋭角的な冴えに円熟期の温かみを加えた、近年のポリーニならではの姿が顕れた。
 アンコールは、ベートーヴェンの「バガテル作品126」からの2曲だったが、激しく野性的な「126-4」も、彼の手にかかると、やや理知的なイメージになる。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/1505-ffe39468
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」