2019-08

9・16(日)エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団 マーラー・ツィクルス(1)

     横浜みなとみらいホール  3時

 インバルと都響の十数年ぶりのマーラー・ツィクルスが開始された。
 今回は番号順に、東京と横浜とで演奏するとのこと。今日は横浜での第1回で、小森輝彦をソリストとした「さすらう若人の歌」と、「第1交響曲《巨人》」が演奏された。

 出来栄えは上々である。インバルは例によってスコアの隅々にまで神経を行き渡らせ、作品全体をがっちりと揺るぎなく構築する。といって、マーラー特有の狂気性や意外性を疎かにしているわけではない。一歩踏み外せば深淵に落ちかねないその危うさの、ぎりぎりのところで踏み止まり、それがまた絶妙なバランスを保っているのが最近のインバルのマーラーだろう。

 それを受ける東京都響が、実に立派な風格を以って音楽を響かせる。トップに四方恭子、トップサイドに矢部達哉が並ぶヴァイオリン群をはじめ、各パートも今日はすこぶる強力だ。まずはこのツィクルス、快調なスタートを切ったと言うべきであろう。

 「巨人」の指揮を終って客席を向いたインバルは、この上なく嬉しそうに見えた。上階席から響くたくさんのブラヴォーの声が調和して快い。横浜の聴衆は比較的物静かというのが、ここでいろいろな国内オケを聴いた時の印象だったが、今日は沸きに沸いていた。インバルにもソロ・カーテンコールが行われた。

 なお「巨人」の冒頭、弦の弱音のさなかに、何か別の高音域の音が混入したように一瞬思えたが、携帯か、それともこちらの空耳か? ライヴ・レコーディングも行なわれているので、ひとごとながら、つい昔の癖が出て余計な心配を・・・・。

コメント

東条先生、お疲れ様です。

私も関西から駆け付けました。
久々にアドレナリンが出ました!
あの年になっても、いまだ苛烈な表現を追求するインバルの姿勢に感服しました。

御指摘の高音ノイズですが、私が座っていた一階下手前方では、ずっと断続的に鳴っていました。補聴器のような電子機器の音のようでした。
辟易しましたし苛々しましたが、それを凌駕するほどの凄まじい演奏であったかと思います。

食わず嫌いのマーラーでしたが、今日は、鑑賞に参加できました。よかったです。
これが、インバル氏の手腕でしょうか。耽美的すぎず、落ち着いていて精彩もありました。

本日の演奏

昨日は、マーラーチクルスの始まりに相応しい演奏でした。前半の「さすらう若人の歌」は、チクルスの名場面集?あるいは、予告編を思わせる演奏。これから、順次進めていく上は、楽しい企画。
 後半は、インバルさんのマーラー”構想曲”第一番。先生のご指摘のとおり、隅々まで、気を配り、都響も十分に応えていました。最近の都響、とりわけインバルさん指揮においては、その音量とともに自信に溢れた演奏機会が増えてきたように感じます。
 これから、復活、そして三番と大曲が楽しみです。

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