2020-04

9・8(土)藤原歌劇団 ベッリーニ:「夢遊病の女」

   新国立劇場  3時

 11時08分松本発の「スーパーあずさ」が、新宿から来る際に「旅客トラブル」があったとかいう理由で45分遅延した煽りを食って、松本を27分遅れで発車した。途中で力走して遅れをある程度取り返すのかと思いきや、新宿に着いたのは更に3分遅れての14時03分だった。中央本線とはそういうものであるか。しかし、新国立劇場の午後3時開演には、支障なく間に合う。

 今回の「夢遊病の女」は、園田隆一郎の指揮、岩田達宗の演出、川口直次の舞台美術による2回公演。ダブルキャストの今日は初日で、藤原オペラの看板・高橋薫子のアミーナ、小山陽次郎のエルヴィーノ、妻屋秀和のロドルフォ伯爵、森山京子のテレーザ、他という配役。

 高橋のプリマぶりは流石に素晴らしく、伸びのある声を軽やかに響かせ、第1幕のフィナーレも含めて、舞台上の音楽を1人でさらってしまう。ただ、彼女らしい精妙な演技が、少なくとも第1幕ではほとんど見られなかったのは残念だ。これは演出の所為だろう。伯爵役の妻屋秀和の、重厚な声の迫力に支えられた舞台上の存在感は、それだけでもサマになるが。

 藤原歌劇団合唱部の熱演は、演技も含めて賞賛したいが、しかし今回は岩田の演出がおそろしく類型的で、パウゼや各ナンバーの序奏の個所では全員が直立不動のまま静止状態になることがしばしば。――これが彼の本来の演出スタイルではないだろう。
 彼の演出は最近観る機会も非常に多いが、これぞ「岩田スタイル」という舞台がなかなか掴みにくい。そろそろ自分の演出スタイルを厳然と確立し、それを売りものにしていい時期に来ているのではないかと思うのだが、如何に? 

 園田隆一郎の指揮は、アダージョ版「夢遊病の女」の感。どんなにテンポが遅かろうと、演奏に緊張感さえあればいいのだが。オケは東京フィル。

 暑さと冷房との頻繁の交替の狭間(?)で、とうとう体調を崩したらしい。中央線の車内では貧血気味に。それゆえ、歌手の皆さんには申し訳ないが、第1幕が終ったところで失礼した。

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藤原歌劇団「夢遊病の女」(9月9日)

セカンドキャスト。
2010年6月の藤原歌劇団「タンクレーディ」公演で初めて聴いて良かったテノール、中井亮一がエルヴィーノを歌うということでセカンドキャストを選んだ。エルヴィーノに加えて、アミーナ(光岡暁恵)、ロドルフォ伯爵(デニス・ビシュニャ)、テレーザ(牧野真由美)、リーザ(納富景子)、アレッスィオ(前田進一郎)の主要人物は全体に実力のバランスが取れていた。演技面でもそれぞれ良かった。アレッスィオ役の前田進一郎は初の大きい役とのことで、まだ個性は弱いという面はあったものの、誠実な役柄をうまく演じ歌っていた。デビューは成功というところ。

最近の藤原歌劇団の公演は2公演しかない中でファースト、セカンドキャストで上演するので、一つのキャストは1回しか歌えない。更に改善出来る糊代がないのは残念なところ。この日の公演も同じキャストで2回上演すればより成長するのではないかと思う。

演出としては、確かに正面を向いて歌う…という場面が多かったものの、群衆が去って、主要人物が残る…という対比には特色があったように感じた。特にラストはアミーナとエルヴィーノの結婚を祝って群衆が退場すると、テレーザ、アレッスィオ、リーザが残り、テレーザがアレッスィオを促し、リーザにプロポーズする雰囲気で終わる…という点は好感が持てた。
エルヴィーノはリーザからアミーナ、アミーナが気に入らないのでリーザ…と浮気性で激情的であるのに比べてアレッスィオは静かで誠実でリーザの欠点も全て受け入れるとの態度。演出家が一番示したかったのはこのラストの場面ではないかと感じた。
(ただし、私は「夢遊病の女」を観るのはたぶん初めてなので、これが特色ある演出であるかは分からない)。

この日は1階中央7列で鑑賞。8列目にはゲネプロも観たという熱心な二期会ファン(後援者)の一団が座っていた(年配の女性)。休憩時間には歌手評も盛り上がっており、二期会公演、あるいはオペラ全般をよく鑑賞されているグループと見受けられた。
しかし、その中のリーダー的存在の方かどうか、拍手があまりに早く、誰も拍手していないあまりに早いタイミングで堂々と一人で大きな拍手。これにつられて多くの方が相当早い拍手をするという場面が2回あった。そのうちの1回はラストである。今回の上演の一番良い場面がほとんど意識されることなく過ぎて、「歌がうまかったわよね」で終わってしまったのは残念な感じ。

ゲネプロを観ていれば、ここで終わり…ということもわかるでしょう。しかし、ゲネプロを観ていれば、この最後の場面が大切であることもわかるでしょう。一人で鑑賞しているのではないのだから、2,000人とその場の「空気」を共有するという考え方を持ってほしいもの。贔屓の引き倒し的鑑賞態度は残念。

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