2020-05

9・3(月)山田和樹指揮日本フィル&小山実稚恵

     サントリーホール  7時

 小山実稚恵が、ラヴェルの「協奏曲ト長調」と「左手のための協奏曲」、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を弾く。

 ただし演奏会のタイトルは、「小山実稚恵の協奏曲の夕べ」ではなく、「山田和樹 コンチェルトシリーズ」だった。日本フィルの正指揮者就任に際し、山田和樹が「やりたいことの一つ」としてこのシリーズを企画、そして一番協演したいピアニストをまず最初に迎えた――と、まあこういうことらしい。

 とにかく、指揮者とソリストの「一緒にこれをやろう」という乗りまくった空気が、コンチェルトの演奏全体に満ち溢れている。
 「ト長調」の第2楽章(アダージョ)は、叙情が最高度に昇華されたような美しさ。この曲で堂々たる深みと美しさを出した小山は、「左手」ではまさにスケールの大きな風格を響かせる。山田と日本フィルも曲の頂点へ向け、見事な追い上げを示す。
 ラフマニノフの有名な第18変奏での、これ以上はないほどの思い入れたっぷり、耽美的な表情は、まさに演奏者たちが自ら愉しんでいることの表れだろう。終結近くでのピアノとオーケストラの美しく溶け合った叙情美は、日本フィルから久しぶりに聴く音であった。

 そのラフマニノフの前に、ピアニストの休憩とオケだけの顔見せを兼ね、サン=サーンスの交響詩「死の舞踏」が演奏された。コンサートミストレスの江口有香の明快で張りのあるソロもあって、適度に芝居気のある標題音楽として、これも面白いものだった。
 この曲と、ラフマニノフの「狂詩曲」との両方に「怒りの日」の旋律が出て来るというプログラミングは、なかなかいいでしょう・・・・とは、プレトークでの山田和樹の自画自賛。

 ほぼ満席の盛況。ラフマニノフの最後でホール内一杯に巨大ノイズ(補聴器?)が長々と響き、それはアンコールの演奏の時まで続くという異様な状況となったが、こういう事態を防ぐ効果的な手段はないものか。もっとも、この日は定期ではなく、しかも曲が曲だけに、また演奏者たちが明るく対応したために、場内も殺気立たずに済んだが・・・・。

※ある方からのメール:
「最後のブザーはなんだかわかりませんが、一階のお年寄りが原因です。笑ってましたから反省はあまりしていないようです。緊急用のブザーではないかと思います。お年寄りなので、自分のブザーだとは気がつかなかったみたいです。携帯電話ではないので、また高齢化社会なので防ぐことは難しいかもしれません。周りの人が注意してあげればいいのにとも思いますが。そんな社会ではなくなってきたのかもしれません」

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