2017-08

7・26(木)マルク・ミンコフスキ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢

    サントリーホール  7時

 フランスの名匠ミンコフスキが単身来日し、初めて日本のオーケストラを振る。
 その最初の栄誉を担ったオケは、東京のそれではなく、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)だった。しかも金沢だけでひっそりとやるのではなく、東京と横浜でも公演してみせるという大デモをやるのだから、OEKも相当なシタタカモノだ。

 それは大変結構なのだが、しかし、今夜の東京公演は、なぜか入りが寂しい。特に2階センター席の前列に座って、うしろを振り向いてみると・・・・。
 プログラムが、実に斬新であった(この曲目が入りに関係したのか? だとしたら、ますます寂しい)。
 クルト・ヴァイルの「第2交響曲」で幕を開け、プーランクの「2台のピアのための協奏曲」があり、最後がラヴェルの「マ・メール・ロワ」(全曲版)で締められる。

 ヴァイルの「2番」がこれほど清澄な音色で明晰に、爽やかに響いたのを、私は初めて聴いた。まるで「パリのヴァイル」という雰囲気の演奏だったが、事実この曲がパリで書かれたことを思い起こせば、筋道は完璧に通る。
 各楽器の音がきらきらして、しかも内声部が、あたかも明るい光を当てられたような明快さで動いて行く。それでいながら第2楽章では、いかにもヴァイルらしい、一種不気味な翳りを帯びた表情が見え隠れする。
 そのニュアンス、ミンコフスキも巧みだが、OEKもなかなかに表現力が豊かである。快演であった。

 プーランクの協奏曲は、曲想にふさわしく、才気たっぷりの演奏が繰り広げられた。日本のオーケストラがこれだけ洗練された躍動を聴かせたのも珍しいだろう。ソリストはギョーム・ヴァンサンと田島睦子が務めた。
 唯一つ惜しむらくは、2階正面で聴いた印象では、ピアノの音が散り気味になってしまい、――よく響くこのホールで、しかも客の数が多くないために、ますます響きすぎて、2台のピアノの音の焦点がぼやけ、プーランクのあの洒落た音の一つ一つが判然としなくなってしまったこと。

 後半の「マ・メール・ロワ」は、特に前半は、何かしら慎重な、構えたような雰囲気が感じられて、少し堅苦しかった。しかし音色の方はやはり艶やかで、アンコールでも演奏された「パゴダの女王レドロネット」など、すこぶる愉しめた。

コメント

プログラムも原因でしょうが、チケット料金が高く設定されていたことが不入りの理由です。

横浜公演に行きました

横浜公演に行きました。どの曲もCDではまだ出ていないと思ったのでとても楽しみでした。最初からバックヤードと舞台サイドのバルコニー(P席とLA&RA席)と3階バルコニーは販売していなかったようでした。それを除けば、入りはまあまあでしたが招待受付が大きくあったので横浜も厳しかったのかもしれません。金沢物産展ミニコーナーもありとても楽しいコンサートでした。(山形響みたい)

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