2017-08

6・16(土)ヘンシェル・クァルテットのベートーヴェンの弦楽四重奏曲サイクル

   サントリーホール ブルーローズ  7時

 5回にわたり開催されて来たヘンシェル・クァルテットのベートーヴェンの弦楽四重奏曲サイクル、最終回の今夜は、「第3番」に始まり、「第7番《ラズモフスキー第1番》」と続き、「第14番」で閉じられた。

 初期、中期、後期の作品からそれぞれ選んで一夜を構成するというのが今回の彼らの巧みなプログラミングだが、これは演奏会として聴くと、非常に強いインパクトがある。
 今夜の3曲だけ聴いても、ベートーヴェンの作風のダイナミックな変化と、おのおのが持つ並外れた巨大な気宇には、文字通り圧倒されるのではなかろうか。

 第1ヴァイオリンのクリストフ・ヘンシェルの音が時折雑になるという欠点があるのは事実だが、弦楽四重奏団としての音楽を聴いてみれば、やはり優れた団体の一つであることに間違いはない。
 彼らの演奏には、強い推進性と集中性、白熱した瑞々しさといったものが備わっていて、今夜の作品の中では、「第3番」の第2楽章以降と、「ラズモフスキー第1番」の後半とに、それが最も良い形であふれ出ていた。

 ただ、ベートーヴェン晩年の巨大で深遠な「作品131」となると、いかに彼らの若々しい気魄と雖も、その魔窟の牙城への攻略は未だ及ばぬ、という感は否めまい。それは、かのブダペスト四重奏団やスメタナ四重奏団でさえ、年輪を積まなくては出来なかったものなのだ。ヘンシェル・クァルテットがそれに成功する日を、楽しみに待とう。

コメント

15日にこの会場で感冒の感染に気づく。演奏中には、くしゃみ鼻水で、演者にも周りの方にも申し訳なく、すみません。16日にはマスクをいたしました。
 ベートーベンのせいにする訳ではないが、精魂を抜かれるかのようで、聴く側も疲れました。この人物のエネルギーと、創造に対する、執念は凄まじい。
 チェロがかなりいいと思う。的確で、いい歌わせ方もあり、賢い。お姉さんも、このクァルテットにとって存在意義が大きいのでは。
東条先生に、いつもお仕事で、たくさんの音楽を聴けることができて。うらやましいです・・とはいえないです。お疲れ様でございます。
あの天気では会場に出向くことも大変なのかいい席が、空いていました。

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